“手のしびれや指の痛み”実は「メノポハンド」かも? 更年期女性は特に注意 発症抑える3つのストレッチ法

手の変形や指の痛み、しびれなどの症状がある人、それは「メノポハンド」かもしれない。最近、整形外科業界で話題となっているという「メノポハンド」について整形外科医に聞いた。

女性ホルモンが発症の原因か

「メノポハンド」の症状について、木田整形外科(福井市)の中嶋宰大医師は「女性によく起きる、手の腱鞘(けんしょう)炎や関節に起きる症状で、手指の関節の痛みやしびれ等が起きる」と解説する。

症状としては、指を伸ばそうとしても引っかかってしまう「ばね指」や、指の第一関節が腫れて変形する「へバーデン結節」などが挙げられる。

女性に発症が多い理由について、中嶋医師は「エストロゲンという女性ホルモンが低下する更年期以降に多く発症するので、女性ホルモンが原因ではないかと注目されている」という。ただ、産前産後はエストロゲンが激しく変動する時期なので、若くても発症する可能性はあるという。

女性ホルモンのエストロゲンは、指の血管を広げたり関節の滑膜を柔軟にして腱や腱鞘を保護したりする役割を果たしている。そこで、メノポハンドへの対処で重要なのが「エクオール」という、女性ホルモンのエストロゲンとよく似た構造体の成分だと中嶋医師は話す。

また、エクオールは大豆製品(納豆、豆腐、豆乳)に多く含まれるといわれているが、摂取しても体の中でエクオールを生み出せない人もいるので、エクオールのサプリで補うことが重要になると説明した。

簡単にできるストレッチ法を3つ紹介

発症を抑え、手の健康を保つために簡単にできるストレッチ法を聞いた。

まずは「手首のストレッチ」。肘を伸ばした状態で腕を伸ばし、手首を反らす。反対の手で反らしながら気持ちいい所で止め、そのまま10秒。次に手首を下にそらし、10秒この動きを繰り返す。

次に「指の開閉運動」。ゆっくりと指と指の間を広げていく。そのまま5秒から6秒キープし、ゆっくりと元に戻す。これを10回繰り返す。

最後に「グリップエクササイズ」。握りこぶしの状態から手のひらを広げるように伸ばす。指先を伸ばし、直角に倒す。各動作4秒ずつを繰り返す。

中嶋医師は「指の関節の変形で長年困っている方が多くいる。メノポハンドという言葉も最近、学会で認知されるようになってきた。まだまだ浸透していないと思うが、困っている人は一度受診してもらえれば」と呼び掛けている。

(福井テレビ)

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