Live Extreme、MPEG-Hオーディオのライブ配信に対応へ。OTOTEN 2024にてデモ展示予定

株式会社コルグは、インターネット動画配信システム「Live Extreme」の次期バージョンにおいて、立体音響フォーマット「MPEG-Hオーディオ」の配信に対応することを発表した。

コルグが2020年9月に発表したインターネット動画配信システム「Live Extreme」は、オーディオ・クロックを配信システムの軸とした「オーディオ・ファースト思想」や、ロスレス/ハイレゾ・オーディオに対応した高い音質が好評を博し、これまでに150公演以上のコンサートやイベントの配信に採用されてきた。2023年には「AURO-3D」や「Dolby Atmos」による立体音響配信機能も追加し、既に多くの配信で利用されているという。

今回、同社は、世界をリードするドイツの音響研究所「Fraunhofer IIS」とライセンス契約を締結し、Live Extremeの次期バージョンであるv1.14(2024年8月リリース予定)に「MPEG-Hオーディオ」のライブ配信機能を搭載することを決定した。

MPEG-Hオーディオは、パーソナライズ可能な没入体験を提供する次世代オーディオ技術だ。このオブジェクト・ベースのシステムは、主要プラットフォームで利用可能な、ソニーの「360 Reality Audio」音楽ストリーミングの基盤となっているという。同社によると、韓国の地上波UHD TVサービスで唯一の音声コーデックとして採用されているほか、ブラジルの「TV 3.0」放送サービスでは唯一の必須音声コーデックとなっている。

さらに、日本の次世代地上デジタル放送仕様でも採用が決定しているという。Live Extremeの対応コーデックに新たにMPEG-Hオーディオが加わることで、高音質配信や立体音響配信の更なる普及が見込まれるとしている。

コルグ取締役の大石耕史氏は、次のようにコメントしている。

大石氏:Live Extremeの使命は、他のストリーミング・システムでは実現できない最高品質のオーディオを提供することです。22.2チャンネル・ベースのオーディオや、ピュア・オブジェクト・ベースのストリーミングといった機能は、MPEG-Hオーディオの機能なしには実現できませんでした。多くの配信が、この最高のクオリティで提供される日が待ち遠しいです。

フラウンホーファーIISメディア技術シニア・エンジニアのヤニク・グレーヴェ氏は、次のようにコメントしている。

グレーヴェ氏:MPEG-HオーディオをコルグのLive Extremeに統合することは、より多くの家庭に最高品質の次世代エンターテインメント体験をストリーミングするための重要なステップです。コルグとのパートナーシップは、完璧さを求める共通の情熱によって推進されたものであり、世界中の視聴者にとって忘れられない体験となることでしょう。

MPEG-H 3D Audioを搭載したライブ配信エンコーダー「Live Extreme Encoder v1.14」は、6月22日〜23日に東京国際フォーラムにて開催される「OTOTEN 2024」のコルグ・ブースでデモ展示予定。さらに、MPEG-H 3D Audioをはじめ、各種立体音響フォーマットの再生に対応したSTB(セットトップ・ボックス)用アプリケーション「Live Extreme Experience」の参考出品も予定されている。

MPEG-Hオーディオの配信仕様

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