ひきこもり状態の市民を支援 「とみおかん家」開設 相談会やレクリエーションを企画 群馬・富岡市

和やかにギョーザを作る参加者

 ひきこもり状態にある市民らを支援しようと、群馬県富岡市は6月、当事者とその家族の居場所となる「とみおかん家(ち)」を開設した。安中市を拠点にひきこもり支援を展開するNPO法人ビーイング(片岡美幸代表)に業務委託し、10月まで月2回、富岡市内の地域づくりセンターと飲食店を拠点に相談会やレクリエーションなどの体験活動を企画。当事者が自立するきっかけづくりにつなげる。

 初回の体験活動となった18日は、同市の食堂「のがみ苑(えん)」で当事者を含む10人がギョーザ作りに取り組んだ。同法人の支援員から「上手になってきたね」などと声をかけられながら、約2時間ほど和気あいあいと作業を進め、手作りのギョーザを味わった。

 同法人は2021年から、富岡市内でも相談会や交流会といった独自の支援を展開してきた。片岡代表はひきこもりの原因は多岐にわたるとし、「行政と連携することで、実情に即した支援が提供しやすくなる」と期待する。

 市の調査によると、ひきこもり状態にある15~64才の市民は2月現在、34人。顕在化していないケースもあり、実態把握が求められるという。市福祉課は「居場所事業を通じて潜在的なニーズをくみ取り、1人でも多く困っている市民を支援したい」とした。

 次回は富岡地域づくりセンターで7月5日に、支援員と当事者らが自由に話せる企画を実施する。

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