パターもリシャフト時代? 「スチール×カーボン」シャフトがじわり人気

練習グリーンで4機種のラインアップを展示(撮影/服部謙二郎)

◇国内女子◇アース・モンダミンカップ 事前(19日)◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6650yd(パー72)

国内男女ツアーでじわじわと見かけるようになったパターシャフトがある。その名も「スタビリティシャフト」。先端がスチール、中央部から手元側にかけてがカーボンというハイブリッドシャフトだ。米国ではすでに5年ほど前に登場し、米ツアーでも使用選手がチラホラと出始めていた。日本にも徐々に入ってきており専門店などで販売されていたが、ツアーで見かけるようになったのはことしになって初めて。

スチールとカーボンの融合といえば、オデッセイの採用している「ストロークラボ」シャフトが有名だが、「スタビリティ」はそれより早くから展開を始めていた(スタビリティはストロークラボよりだいぶ重い)。スチールより重く、さらにトルクが少ないという触れ込みだが、いったいどんな性能のシャフトなのか。「シャフトが捻じれにくいのでスクエアヒットがしやすいんです。データを取っても、スキッド(キャリー)の量が少なく、当たってすぐに順回転がかかるので、ボールの転がりがいい。ミスヒットしても前にいってくれるという声をプロからの評価で聞きます」(同社ツアー担当)

穴井詩はスタビリティシャフトを「サロンパスカップ」から使う(撮影/服部謙二郎)

「スタビリティツアーブラック」、「スタビリティツアーウィメンズ」、「スタビリティツアーロング(中尺、長尺用)」、フルカーボンの「スタビリティツアーワン」の4機種展開。女子ツアーでは、穴井詩が「スタビリティツアーブラック」(105g)を「2ボールブレード」に挿して使用していた。「スチールシャフトだと切り返しで若干遅れてくるじゃないですか。それがなくて、思った通りに打てるのがいいですね。特にロングパットとかの距離感が合います」(穴井)と、かれこれ1カ月以上使用を続けている。

ツアーでじわじわ流行中(撮影/服部謙二郎)

濱田茉優もオデッセイ「Ai-ONEトライビーム」のヘッドに「スタビリティツアーブラック」(105g)を挿している。「シャフトがよじれないので、何よりボールの転がりがいい。地を這うようにボールが進んでいってくれます」(濱田)と、新しいシャフトに手ごたえを感じていた。他にはエイミー・コガ、ペ・ソンウ(韓国)らもテスト中で、まだまだ使用者は増えそうだ。

宮里優作は長尺用のスタビリティロングを使用中(写真は4月「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つか」)(撮影/服部謙二郎)

実は男子ツアーでも使用者がいた。宮里優作が「スタビリティツアーロング」(200g)をスコッティキャメロンの長尺パターに挿して使い始めていた。4月頃からテストを始め、6月の「日本ゴルフツアー選手権」から本格的にスイッチ。「長尺を使っていると、どうしても切り返しで変なたわみが起きて振り遅れるケースが多い。ですが、このシャフトだと振り遅れることがなくて、しっかりとヒットできる。ミスも一辺倒で右のミスがほぼ出ない。左のミスだけを考えればいいので動きがすごいシンプルになります」(宮里)と、長尺パターとの相性は非常に良さそう。

男子の海外メジャー「全米オープン」に勝ったブライソン・デシャンボーもLAゴルフのカーボンシャフトを使っているし、もはや「パターシャフト=スチール」ではなくなってきているのは間違いない。パターもリシャフトが当たり前な時代に突入か。そのうちカチャカチャ機能がついてきたりして…。(編集部/服部謙二郎)

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