繁華街、火から守れ いわき駅前の火災受け市消防本部 飲食店密集するエリアで防火指導

立ち入り検査したビルの飲食店で消火器の状態を調べる消防職員(左)ら

 いわき市のJRいわき駅前の繁華街で多数の建物が焼損した火災を受け、市消防本部は市内で飲食店が密集するエリアの防火指導に乗り出した。7月下旬までに火災があった市内平字田町の他、常磐地区や小名浜地区でも指導に入る。

 火災は5月26日午前10時5分ごろに発生。焼損した建物は13棟で、テナント37軒が被害を受けた。市内には木造の建物や飲食店が密集する繁華街が複数あり、再発防止に向けて市内全域で指導が必要と判断した。

 18日には火災現場の田町でいわき中央署と合同の夜間防火指導を実施した。出発式が行われた駐車場には消防と警察合わせて約30人が集合。鈴木省吾平消防署長が「消防の『防火の目』と警察の『防犯の目』で火災の芽を摘み、市民の安全安心を確保しよう」と呼びかけた。

 午後6時ごろから6班に分かれてビル11棟の指導に入り、ビル内の飲食店に消火器が適切に配置してあるか、コンロ付近に燃えやすいものがないかを確認した。田町では7月下旬までに約30棟のビルで防火指導に入る予定だ。

 防火指導を受けた居酒屋の男性店主は「大火事で改めて火の怖さを感じた。油の扱いなどに気を付けたい」と話していた。

(いわき版)

© 株式会社福島民報社