桂ざこば師匠との思い出トークも飛び出した『桂二葉チャレンジ!! SECOND SERIES 2』レポート

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『桂二葉チャレンジ!! SECOND SERIES 2』が6月13日に東京・有楽町朝日ホールで開催された。

『桂二葉チャレンジ』は演芸写真家・橘蓮二のプロデュースのもと、桂二葉が落語界を代表する師匠に挑戦する企画。加えて『SECOND SERIES 2』では、毎回ネタ下ろしにも挑む。1月に行われた初回は『天神山』を口演。今回の公演では『くしゃみ講釈』を披露した。

古今亭松ぼっくりさんの開口一番が終わると、二葉さんが登場。甲高い第一声で笑いが起こると、「落語界の白木みのると言われてます」と続けてさらに笑いを誘う。冒頭では、前日に亡くなった同じ米朝一門だった桂ざこば師匠の話に。これまで女性は上がることが出来なかった動楽亭の寄席に、師匠に認められ出演が叶ったエピソードを披露すると拍手が。しかし「その後、すぐ米朝事務所辞めるけど」と畳みかけると会場は大いに沸いた。

今回はゲストが人間国宝なので、先にネタ下ろしをしてホッとした状態で聴きたいと、一席目『くしゃみ講釈』を高座にかける。振り切った「のぞきからくり」の場面や、きれいなくしゃみの形態模写に会場は爆笑。元は上方落語のネタだけあって、二葉さんの絶妙でリズミカルな語り口が活きるすばらしい高座となった。

続いて二席目は、ゲストの五街道雲助師匠。二葉さんの話になり、今日が初対面とのことで袖で高座を観ていたそうで、師匠から「大変、魅力的」との褒め言葉が飛び出した。その流れで雲助師匠が口演したのは『お菊の皿』。怪談話『皿屋敷』を下敷きにした滑稽噺だ。思わず聴き惚れてしまうような声色、そして圧巻の話運びで会場を爆笑の渦に飲み込んだ。

仲入りを経て、ふたたび二葉さんが登場。高座にかけたのは『子は鎹』。実は本公演の冒頭、ざこば師匠との思い出として話していたネタだ。ざこば師匠が『子は鎹』を口演していた際に話が飛んでしまい、袖にいた二葉さんが助けに入ったが、二葉さんも話が飛んでしまい、ふたりして恥をかいてしまったそう。『桂二葉チャレンジ』では、2度目の口演となるが、今回はざこば師匠に捧げる一席となった。

最後は二葉さん、雲助師匠揃ってのトークコーナー。雲助師匠が、若い頃は月に5本くらいネタ下ろしをしていたが、「こんな大々的にネタ下ろしをやるなんて大変」「よくやるね」と、労をねぎらった。

そこから今度は、二葉さんが「国会議員の前で、『死神』やったって本当ですか?」と雲助師匠に質問。師匠によると、国会内で議員を前にして、金に目がくらんだ男が命を落とす噺である『死神』を口演。呪文を唱える場面では毎回その時々のトピックスを織り交ぜるそうで、その時は「裏金」と皮肉たっぷりに呪文を唱えたとのこと。師匠が「議員さんたちみんな笑ってたよ」と振り返ると、二葉さんがすかさず「笑いごとちゃうやろ!」とツッコみ、笑いを誘った。

さらに、話題は転じて雲助師匠が主催する会の話に。“雲助から古きを学ぶ塾”で「雲古塾」というネーミングで会場から笑いが起こると、「出てくれる?」と、まさかの出演のお誘いが。続けて師匠は「ファンになりました」「とりあえず、キンチョーの蚊取り線香買いに行きます」と言って会場を沸かせた。

そして最後は、二葉さんから次回のゲストが柳家三三師匠であること、『しじみ売り』をネタ下ろしすることが発表され終演を迎えた。

撮影:橘蓮二

<公演情報>
『桂二葉チャレンジ!! SECOND SERIES 2』

2024年11月28日(木) 東京・有楽町朝日ホール
開場 18:30 / 開演 19:00

出演:桂二葉『しじみ売り』ほか一席
ゲスト:柳家三三

チケットはこちら:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2346364

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