豊沢ダムの渇水、特に顕著 貯水率10% 番水や断水で農業用水確保へ 岩手

岩手県内では晴天や雨が少ない影響により、夏に向けた水不足が懸念されています。すでに貯水率が10%に低下し、断水を予定しているダムもあり、19日に関係機関が緊急集まり、情報を共有しました。

この会議は岩手河川国道事務所などの関係機関が、岩手県内の北上川水系の河川で渇水傾向がみられた場合に招集されるものです。
ダムを管理する国や県のほか、農業団体などの担当者が出席し、現状を共有しました。

特に渇水が顕著なのは岩手県花巻市の「豊沢ダム」です。下流域4250ヘクタールの豊沢川土地改良区へ農業用水を供給していますが、19日午前9時時点の貯水率は10%です。6月2日から17日まで、地区を分けて順番に水を供給する「番水」を実施したほか、21日から7月10日までの20日間、全域で断水の措置が取られます。

このほかのダムでも、平年より貯水量が少なくなっているところが多い状況です。

(岩手河川国道事務所 木村博英事業対策官)
「もっと状況が悪化することも考えられる。かんがい用水だけではなく、一般市民にも(節水を)呼びかけることが必要なのかもしれない」

盛岡地方気象台によりますと、今後1か月の降水量は平年並みの予報ですが、岩手を含む東北北部はまだ梅雨入りしていないため、まだまだ水不足は続きそうです。

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