角田裕毅、スペインGPに向けて自信を示すとともに「重要なのはフリー走行」と指摘! 専門メディアは「大幅アップデートの恩恵を受けるだろう」と期待

F1第10戦のスペイン・グランプリが今週末、バルセロナ郊外の「カタロニア・サーキット」で開催される。本格的な欧州ラウンドの始まりとなるこの一戦に向けて、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅が意気込み等を語っている。

今季安定したパフォーマンスを発揮している24歳は、車の向上に伴って好結果を連続して残し、ここまで5戦でポイントを獲得してドライバーチャンピオンシップでトップ5に割り込んでの10位(19点)を維持しているが、先々週のカナダGPでは入賞を目前にしてのミスで14位に終わり、悔いを残すこととなった。

ただ、チーム公式サイト等から発表されたプレスリリースのコメントでは、「モントリオールでのレースは思い通りにはいかなかったし、週末全体も少し浮き沈みがありましたが、フリー走行から予選にかけて状況を良化できたのはポジティブでした」と、角田はポジティブに振り返っており、以下のように続けている。
「これは我々にチームとして適応する力があることを示しており、再び予選ではQ3に進出できるまでに立ち直ることができました。このことは、状況を好転させ、それを上手く活かす方法を我々が身につけたのだという自信を僕に与えてくれました!」

この北米での週末でも収穫があったという角田は、スペインGPについては「次はバルセロナで、これは車にとって厳しい試練が待っていますが、今季これまで、『VCARB01』は全てのコースで上手く機能しているので、パフォーマンス面での心配はありません」と車への信頼とともに、その他の要素についてもポジティブな見解を示した。

「コースについて言えば、セクター1とセクター3は全く異なる特性があり、両方でバランスの取れた車を持つことはできないので妥協が必要ですが、その点について心配はしていません。重要なのは、フリー走行中にできるだけ早く、このコースでの車の動きを理解し、それを最大限に活かすことです。ここもまたオーバーテイクが難しいコースなので、予選がとても重要になります」「最近のレースでは、予選でかなり良いパフォーマンスを発揮できていますが、それはフリー走行での準備のおかげかもしれません。そしてそれは、感情をコントロールしながら自分自身を上手く管理し、一貫して行なえることに繋がっていると思います。これらのことが、ドライビングやフィードバックの向上をもたらし、さらなる自信を僕に与えてくれるので、とても楽しみにしています」

RBのテクニカルディレクター、ジョディ・エッギントンは、かつてはシーズン前の合同テストでも使用されたサーキットでのレースを「全てのドライバーにとって慣れ親しんだコースだが、チャレンジングでもある」と語り、また今週末にはフロア、ボディワーク、リアウイングでアップデートが施されることを明かしている。

これには各国の専門メディアも注目しており、英国のF1専門サイト『RACEFANS』は「RBは3連戦の初戦で大幅なアップデートを施す予定であり、角田とダニエル・リカルドの両ドライバーはその恩恵を受けることになるだろう」と、VCARB01がより強力になり、ドライバーをサポートすると期待する。
フランスのモータースポーツ専門サイト『AUTO hebdo』は、角田のコメントに同調し、「バルセロナでの躍進の鍵を握るのは、フリー走行だろう。新しい車の挙動を理解することが、週末の彼の成長に大きな役割を果たすのは間違いない」と綴り、初日から重要な局面を迎えると指摘した。

そして同じくフランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は、「角田は将来に向けてより快適な状況にあるが、カナダでの週末は失望の結末に終わった。しかし、彼によれば、これでパニックに陥る必要はない。というのも、VCARB01にはグリッド上で6番目の勢力として台頭できる可能性とポテンシャルが秘められているからだ」と、この日本人ドライバーの自信と車への期待を強調している。

構成●THE DIGEST編集部

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