「部分合流と言われていたから、びっくり」全体練習復帰の畑大雅、負傷前と同様のパフォーマンスを示せるか「準備はできている」【湘南】

「次の試合までの準備期間は残り2日。間に合うように調整したい」

5月25日のJ1第16節・ジュビロ磐田戦で左足関節、前距腓靭帯損傷を負った湘南ベルマーレの畑大雅が、6月19日の公開練習でピッチに姿を現わした。

約3週間ぶりの合流となった畑は、午前のトレーニングをすべて消化。「部分合流だと言われていたから、びっくりした」とのことだが、試合形式の練習では負傷前と変わらないスピードと強度を披露し、万全をアピールした。

畑は現在のコンディションについて、次のように話す。

「リハビリは、怪我前の状態を維持することを意識して、走り込みなど、心拍数を上げるトレーニングを中心に取り組みました。試合に出場できる準備はできているので、監督が選んでくれれば、次のゲームに出られる可能性もあると思います」

【PHOTO】勝利を願い選手と共に闘った湘南ベルマーレサポーター
畑は今季、第10節の北海道コンサドーレ札幌戦でプロ初ゴールを挙げて以降、試合のたびに調子を上げてきた。目標のひとつに掲げていたパリ五輪出場も視野に入れていたが、先述のとおり、5月に負傷離脱。松葉杖をつきながらヤマハスタジアムを後にする表情は、悔しさが溢れていたように感じた。

負傷から復帰まで、畑はどんな想いで過ごしたのか。

「靭帯だったので『長いんでしょ』という声もありましたし、僕も怪我をした瞬間は2~3か月コースかなと覚悟した。でも、最初に受けた診断は『2週間で完治』でした。当時は“足を地面につけないくらい痛いのにそんなわけないだろ”と思いましたが、実際、治りは早くて。怪我をしたあとも、意外と元気に過ごせました」

目標のパリ五輪については「正直、厳しいと思う」と語るが、畑は高いモチベーションで次を見据えている。

「すでに気持ちは切り替えられているんです。この前の名古屋(グランパス)戦で(小野瀬)康介君が良いプレーをしたので、危機感もありますし、まずは早く試合に出たい。五輪よりも上の舞台を狙えるように、頑張っていくだけです」

本人はこう言うが、パリ五輪への道が完全に途絶えたわけではない。まだメンバー発表前。もし、6月22日に行なわれる次節・FC東京戦に間に合い、負傷前と同様のパフォーマンスを示せば、U-23日本代表を率いる大岩剛監督のレーダーに引っかかるかもしれない。

最後の踏ん張りに注目したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

© 日本スポーツ企画出版社