「定額減税」は複雑過ぎ⁉同じ4人家族でもいくつもパターンが…「煩雑な仕事が増えて大変」経理担当者からは悲鳴の声

長引く物価高対策として国民の負担を軽減するため、今月から始まった定額減税。
一部の高額所得者を除き、一人あたり4万円が減税されますが、給与を支給する側の事務作業の負担増加などが問題となっています。

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静岡県焼津市内で開かれた定額減税の説明会です。企業の経理担当や個人事業主などが参加し、減税の仕組みや手続きの方法などを学んでいました。

「定額減税」とは一部の高額所得者を除き、所得税と住民税を合わせて年間で一人あたり4万円が減税されるものです。説明会の参加者からは不安の声が聞かれました。

<食品会社の経理担当>
「初めてのことなので、どうなるのか不安はある。社員の方が、心配してくれている。経理の方、大変でしょうねと心配をしてくれているから、そういった意味では煩雑な仕事が増えて大変だという気もする、正直なところ」

前提として定額減税は、2024年度の所得が1805万円以下の居住者が対象です。給与収入は2000万円以下(居住者とは、日本に住所がある人や1年以上居所を持つ人)
例えば、夫婦が共働きで子どもが2人の4人家族の場合、4万円×4人で合計16万円が減税となります。

ただ、定額減税はケースバイケースで手続きが異なり煩雑なことが問題で、給付金と違い、還元の実感を感じづらいという声も上がっています。

<向出工業 向出宗隆代表>
「建築屋さんから依頼された、足場を施工する会社になります」

焼津市のこちらの会社では、従業員4人の給与を社長の向出さんがすべて1人で計算しています。

<向出工業 向出宗隆代表>
Q.どのような作業が増えた?
「パソコンでの給与明細の打ち込みと減税枠の管理と月々の管理とその保存の手間が増えたかなと」

ただ、手間は増えた一方、納めるはずの税金が減税されることが、従業員のモチベーション向上につながるといいます。

<向出工業 向出宗隆代表>
「事務の方はひと手間大変になったというのは正直なところなんですが、それでもやっぱり従業員の子たちが喜んでもらえるっていうのが、何よりありがたいことかなと思っています」

賛否両論がある定額減税。物価上昇の対策として、本当に有効な手段となるのでしょうか。

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