『劇場版ドクターX』米倉涼子&岸部一徳の過去が明らかに? 名セリフ誕生の瞬間に期待

「私、失敗しないので」の決めゼリフで知られる、米倉涼子主演の医療ドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)。12年に渡る長寿シリーズとなった本作が、今年12月に『劇場版ドクターX』として初のスクリーンデビューを飾ることが決定した。

2012年に始まった本作は、現在第7シリーズまで制作され、主演の米倉のほか、田中圭、内田有紀、今田美桜、勝村政信、鈴木浩介、遠藤憲一、岸部一徳、西田敏行ら豪華キャストが共演に名を連ねている。

本作の人気の理由は何と言っても、米倉演じるフリーの凄腕外科医・大門未知子の痛快なキャラクター。何度も映像化された山崎豊子原作の『白い巨塔』をはじめ、最近でも『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)、『グレイトギフト』(テレビ朝日系)で描かれたように、大病院を舞台にしたドラマには“権力争い”が欠かせない。

だが、米倉演じる未知子は群れることを嫌い、病院内の派閥争いに加わることを徹底的に拒否。オペ以外のあらゆる業務を“雑用”として引き受けず、破格の労働条件と引き換えにその凄腕を発揮する。本シリーズのヒールとも言える東帝大学病院の元院長・蛭間重勝(西田敏行)をはじめ、出世にしか興味のない病院関係者をばっさり切り捨てる未知子の歯に衣着せぬ物言いは、常に視聴者をスカッとさせてきた。

そんな未知子を演じる米倉は、2019年に低髄液圧症候群を発症し、2022年には出演予定だったミュージカル『CHICAGO』を体調上の理由から降板。長らく闘病生活が続いたが、6月14日の『あさイチ』(NHK総合)で久しぶりに生放送の番組に登場し、体調の変化について語った。

一時は引退を覚悟したという米倉だが、「8月に手術をして、今年の5月くらいから急に元気になってきました」と報告。今回の『劇場版ドクターX』も自ら映画化を熱望し、プロデューサーに直談判したという。

劇場版で描かれるのは、『ドクターX』の“エピソードゼロ”と言える内容。これまでTVドラマで断片的に明かされてきた情報によると、未知子の父・大門寛は、「神原名医紹介所」の所長・神原晶(岸部一徳)や、第1シーズンに登場した毒島隆之介(伊東四朗)と同期の外科医で、現在の未知子と同じく天才的な腕前を持っていたという。

ところが、大学病院を退職後、小さな診療所を営んでいた寛は、政治的な逆恨みから毒島に診療所を潰されてしまう。さらに、寛自身も診療所閉鎖からまもなく他界。その後、残された未知子は、神原に医療技術を教えられ、父と同じ外科医の道を歩んでいく。

米倉は、劇場版の見どころについて「大門未知子が『私、失敗しないので』と言うまでの展開と、言う瞬間にも注目していただけると嬉しいです」とコメントしており、まだ駆け出しの外科医だった頃の未知子や、神原とのエピソードも詳しく描かれることが期待される。父の残した多額の借金を抱え、途方に暮れていた未知子が、“絶対に失敗しない外科医”にまで成長し、あの名ゼリフを言うまでの過程が描かれると思うと今から楽しみだ。

また、劇場公開に先駆けて行われるイベント『ドクターX感謝祭』が「最初で最後のファンミーティング」と銘打たれていることからも、本作がシリーズ最終作となる可能性は高い。これまで数多くのオペを担当してきた未知子が最後にメスを入れるのは一体誰なのか。彼女の最後の仕事ぶりにも注目したい。
(文=花沢香里奈)

© 株式会社blueprint