【中国】中国製チタンに高関税か、打撃大きく[化学]

中国のチタンメーカーが、欧州連合(EU)の欧州委員会による中国製酸化チタンに対する反ダンピング(不当廉売)調査に反発している。ネットメディアの澎湃新聞によると、中国の酸化チタン輸出は昨年に過去最高を記録。ダンピングが認定された場合には高い関税が課せられる見通しで、中国メーカーへの影響は避けられない。

欧州委員会は昨年11月、中国製酸化チタンの反ダンピング調査を開始した。今月中旬に公表した調査の中間報告では、二酸化チタン大手の竜佰集団の傘下企業に39.7%、中核華原タイ白(タイ=金へんに太)の傘下企業には14.4%、安徽安納達タイ業など23社の関係会社には35%の関税を課す意向を示した。

浙商証券は「10~20%程度が課税されるという当初の予測を上回った」と指摘。竜佰集団は中間報告を受け、最終決定までに欧州委員会と協議を進めると説明した。

酸化チタンは塗料やプラスチック製品、紙製品の生産に使われる。23年の中国の酸化チタン輸出量は164万1,800トンと過去最高だった。民生証券は、近年の環境保護政策やエネルギー危機の影響で、海外大手メーカーの生産コストが高まり、価格競争力がある中国製の輸出が増加傾向にあると分析した。

中国製酸化チタンを巡っては、インドとブラジルも反ダンピング調査に乗り出している。

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