広島 上本&野間 頼れる中堅が21日帰還 首位固めへさらに加速 新井監督「勝負はまだまだ先」

 リラックスした表情で練習に臨んだ新井監督(撮影・市尻達拡)

 首位固め態勢、整いました!広島の新井貴浩監督(47)が19日、左半膜様筋筋損傷でファーム調整が続いていた上本崇司内野手(33)をリーグ戦再開となる21日・中日戦から1軍へ昇格させることを明言した。さらに、体の張りでベンチ外が続いていた野間峻祥外野手(31)の状態についても「大丈夫」と強調した。

 頼れる中堅が戦列に戻ってくる。強い日差しが照りつけたマツダスタジアム。全体練習で野手陣の打撃に目を凝らした新井監督は「崇司があさっての中日戦から」と上本の昇格を明言した。2位・阪神とは2.5差。いぶし銀の働きを見せるユーティリティープレーヤーの復帰でチームはさらに勢いに乗る。

 上本は開幕戦で「2番・中堅」でスタメン出場を果たすなど、18試合の出場で打率・289。守備では内外野をそつなくこなしてチームを支えていたが、5月1日・阪神戦(マツダ)で走塁中に負傷し、左半膜様筋筋損傷で登録を抹消されていた。昨年8月にも同じ箇所を痛めて戦線を離脱していただけにファームでは慎重にリハビリ。7日のウエスタン戦で実戦復帰を果たしていた。

 この日のウエスタン・くふうハヤテ戦(ちゅ~る)では「2番・左翼」でスタメン出場し、左前打を放って3打数1安打。指揮官は「『もう万全です!いつでもオッケーです』と言ってくれたので、満を持してという形になると思うね」とゴーサインを出し、「彼はどこでも守れる。打つのも走塁も、全てが高いレベルでできる選手なので期待しています」と信頼を寄せた。

 上本と同様、チームのキーパーソンである野間にも明るい兆しが-。体の張りで4戦連続ベンチ入りメンバーから外れて交流戦を終えていた中、新井監督は「野間?大丈夫です。順調に回復している。慎重にいきたいけど、おそらく(21日からの)中日戦からいけるんじゃないかなという感じ」との見通しを示した。

 野間はこの日の全体練習で打撃練習やダッシュなどで調整。「迷惑をかけたのでしっかり結果で返せるように調整したい」と気合を入れ直し、「(1番の)秋山さんも調子が良いですし、クリーンアップにどうつなぐかになってくる。中日は投手が良いので、なんとか崩していけるようにできればと思います」と2番起用を想定して、打倒・中日への青写真を描いた。

 セ・リーグ首位として交流戦を終えたものの、新井監督は「まだ順位的なものを考える時期ではない。もちろん目の前の試合を全力でやるけど、勝負はまだまだ先だと思っているので」と強調した。帰ってきた戦力も生かしながら、これまで通り一戦必勝で首位の座を固める。

© 株式会社神戸新聞社