【宝塚記念】ドウデュース 最強リハ 我慢利かせ“あえて”の併入 友道師「いい追い切りできた」

 栗東芝で追い切るドウデュース(撮影・石湯恒介)

 「宝塚記念・G1」(23日、京都)

 歴代最多の期待に、応える準備は整った。圧倒的得票数でファン投票1位に支持されたドウデュースは19日、前日の大雨の影響や時計面を考慮して、栗東芝で最終リハ。しっかりと我慢を利かせながら、予定通りの併入フィニッシュを決めた。海外遠征帰りでも調整に狂いはなし。ドバイの屈辱を晴らす走りでグランプリ連覇を決め、改めて現役最強を誇示する構えだ。

 見慣れない攻めパターンでも心配は無用だ。G1.4勝目を狙うドウデュースが栗東芝に登場。カルデア(3歳未勝利)を4馬身半ほど前に見る形でスタートし、ゆったりとしたフットワークで徐々に距離を詰めると、手応えも楽なまま直線へ。一瞬トップギアに入りかけたが、またがった前川助手がグッと我慢を利かせ、“あえて”の併入で最終仕上げを完了した。

 爆発力の片りんを見せつつも、最後まで力むことなく気持ち良さそうに脚を伸ばして6F82秒0-35秒8-11秒7。友道師は「行き過ぎないように、抜かすこともないように。助手がうまく乗ってくれた。いい追い切りができたね」と満足そうにほほ笑む。1週前には栗東CWで負荷をかけており、最後の味付けは微調整程度でOK。芝で最終追いを行ったのは21年アイビーS以来だが、前日の大雨の影響でCWは荒れており、ポリトラックで時計が速くなり過ぎるのも避けたかっただけに、これが最適解というわけだ。

 前走のドバイターフ(5着)は、出遅れた上に展開も向かず「不完全燃焼だった」と指揮官。そこから3カ月を経ての国内復帰戦となるが、スムーズに立ち上げ、中間も抜かりない調整過程を踏んできた。「前回はムキムキで幅のあるマイラーっぽさがあった。今回は胴が伸びてスラッとしたハーツクライ体形になっている。輸送もないので、太め感もいらないからね」。中距離仕様のフォルムに仕上がっている。

 舞台は初めてとなる京都の外回り。「距離とか外回りは関係ないと思うが、初めての下り坂がどうか」とトレーナーは慎重に分析する。その一方で、週末の雨予報による馬場悪化の可能性には「心配していない。日本の道悪はこなせると思う」と確かな自信もチラリ。2歳時の朝日杯FSから4年連続、そして阪神、東京、中山に次ぐ主要4場でのG1制覇が懸かる一戦。歴代最多のファン投票を集めた現役最強馬が、その実力を証明する準備は整っている。

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