電車だけじゃなく温度も管理…鉄道社員たちが福井で夏イチゴ栽培 6月22日から一般向け販売

6月22日から福井市内で販売する福井県産夏イチゴ=福井市大瀬町

 ハピラインふくい社員らによるグループ「レールベリー」が栽培に取り組む夏イチゴが順調に生育し、6月22日から初めて一般向けに福井県福井市内で売り出す。暑さに弱いため夏場は国内の生産量が落ち、酸味の強い国外産が加工用として流通する中、冬のイチゴにも負けない糖度を誇るという。生食できる希少な県産夏イチゴとして、県内への浸透を目指す。

 「レールベリー」は県内鉄道職員らで構成し昨年、福井市など主催の「福井発!ビジネスプランコンテスト」一般の部でグランプリを受賞したのを機に夏イチゴ栽培を事業化。代表の池田康成さん(28)を中心に福井市大瀬町の350平方メートルのハウスで、「なつあかり」約1400株を3月に植え、栽培している。

 夏イチゴは東北などの寒冷地で主に栽培され、県内では夏場のハウス内の気温管理が壁となり、ほとんど栽培されていない。レールベリーは地下水を引き込み株の根元、土、ハウス屋根などを冷却することで夏栽培を可能とした。昨年は試験的に栽培し200キロを洋菓子店に卸した。今年も順調に育ち約600キロの出荷を見込んでおり、初めて一般向けにハピリン内の福人喜、フルーツのウメダ、JA県経済連の農畜産物販売拠点トレタスの3カ所で販売する計画。

 一般的な夏イチゴの糖度は7~8度の中で11度以上あり、1粒350円と150グラム入り1500円の2種類で価格設定した。池田さんは「なつあかりは、夏イチゴの中では糖度が高い品種。この時期にはなかなか味わえない甘さに仕上がった」と胸を張る。

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 長期間安定的に出荷するため、6~8月上旬と9~11月の2期間に分けて出荷する予定。池田さんは「福井の夏の新たな幸せとして家族で食べてもらえれば」と話している。

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