福沢諭吉と北里柴三郎「お札になった九州の偉人」 熊本市で功績など紹介する展示会【大分県】

パネルで諭吉の足跡に触れる来場者=19日、熊本市の鶴屋百貨店
「福沢諭吉と中津市」ゾーンに展示されている「学問のすゝめ」の初版本
テープカットをする奥塚中津市長(右から3人目)ら

 【中津】新紙幣発行を前に、1万円札の肖像になっている福沢諭吉を取り上げた展示会が19日、熊本市の鶴屋百貨店で始まった。新千円札の顔を担う熊本県小国町出身の北里柴三郎と並んで紹介。近代日本の礎を築いた先人の偉業や魅力、2人の関係性などを伝えている。24日まで。

 イベント名は「お札になった九州の偉人 北里柴三郎 福沢諭吉」展。新紙幣発行の機運を高めつつ、2人をしっかり顕彰しようと中津市や小国町、国立印刷局などが共催した。

 オープニングセレモニーで、奥塚正典中津市長が「福沢と北里両先生の縁は深い。偉人の力で九州の元気を全国に発信しよう」とあいさつ。関係者と共にテープカットをした。

 同展は三つのゾーンで構成され、パネルや映像、資料など計約60点を展示。

 「福沢諭吉と中津市」ゾーンでは福沢の功績や暮らしぶりのほか、福沢が北里の伝染病研究所開設などを支援し、福沢没後に北里が慶応義塾大の医学部創設に尽力した―といった逸話を紹介。「学問のすゝめ」初版本なども飾っている。

 北里のゾーンには使っていた顕微鏡や、考案した「嫌気性菌培養装置」が並ぶ。お札にまつわるゾーンでは製造工程や偽造防止のための工夫などについて説明。1億円の重さを体験できるコーナーも。

 来場した熊本県八代市の森山朋子さん(69)は「偉人2人の関係性などいろんなことを知れた」、娘(5)と来場した同県合志市の会社員塚本綾乃さん(34)は「諭吉さんは人間味のある人なんだと思った。今度、中津にも行ってみたい」と話した。

 入場無料。開場は午前10時から午後7時(21、22日は同7時半、24日は同4時)まで。

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