大塚製薬が神戸市の全学校園に「熱中症対策セット」を寄贈 吉田羊さんら出演の校内放送用CDなど4点

「熱中症対策キット」の寄贈式。神戸市教育委員会の福本靖教育長(左)と大塚製薬関西第一支店の飯間真支店長(右)

熱中症による緊急搬送が年々増加する中、大塚製薬(東京都千代田区)はこのほど、神戸市の全市立学校園に熱中症予防のための飲料や啓発ポスターなどをまとめた「熱中症対策セット」を寄贈した。子どもたちや教職員一人ひとりに熱中症から身を守る意識を持ってもらい、この夏を元気に過ごしてもらおうとの取り組み。同市と大塚製薬は2021年、「健康づくりに関すること」などの包括連携協定を締結している。

【写真】「気をつけてくれなきゃクマっちゃう!」。大塚製薬と神戸市が作成した熱中症啓発ポスター

セットは、同社製品「ポカリスエット アイススラリー」、校内放送用CD、啓発ポスター、熱中症対策の専門知識を学べる講座案内リーフレットの4点。市内の289校園に1セットずつ贈られた。凍らせて飲む「ポカリスエット アイススラリー」は、細かい氷の粒子が液体に分散した状態(スラリー状)のドリンクで、1箱(6個入り)提供。CDは、俳優の吉田羊さん、鈴木梨央さんが水分や電解質補給などを呼び掛ける内容で、昼食時間や下校時などの校内放送で流す想定で編集されたという。

啓発ポスターは、同社と神戸市健康局が共同で制作。かわいらしいクマのイラスト入りで熱中症予防のポイントを挙げ、「『自分や友だちが熱中症かな?』と思ったら、まずは大人やまわりの人に伝えよう!」と指南している。市教委は7月から夏休み前まで、同内容のビジュアルを児童生徒の学習用端末のロック画面に設定する予定。講座案内のリーフレットは教職員向けで、受講すると、熱中症対策の専門知識を学べるほか、「熱中症対策アンバサダー」として認定される。

寄贈式には、大塚製薬関西第一支店(大阪市)の飯間真支店長、神戸市教育委員会の福本靖教育長が出席(※「靖」は正しくは月ではなく円)。飯間支店長は、効果的な熱中症対策として、▽塩分と適度な糖質を含んだ飲料で水分補給をする▽水分補給は運動中だけでなく運動前も行う▽しっかり朝食を摂る▽水分補給の飲料の温度は5~15度が適当、などを挙げ、「多くの教職員に熱中症対策の講座を受けてもらい、アンバサダーになってほしい」と述べた。福本教育長は「CDを使った校内放送は、児童生徒らが直接耳にするので非常に効果的だと思う」と話した。

神戸市教育委員会は、部活動の際、暑さ指数を実施の具体的な指針とする規定を設けたり、市立の全小中学校に空調機とウォータークーラーを、市立中学40校に自動販売機を設置するなどの熱中症対策も進めている。

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