グーグル、検索に2つの新機能 ハッシュタグ付き検索と降水量予測、AI活用の新たな取り組みも

グーグルは6月19日、「Google 検索」の2つの新機能を発表した。ハッシュタグをつけて検索できる機能を同日から、また地域ごとの降水量予測となる「Google ナウキャスト」を7月以降順次提供する。

同日開催した「Google for Japan 2024」では、新機能の詳細や背景、AIを活用した同社の取り組みなどが語られた。

ハッシュタグ付き検索に降水量予測--「Google 検索」に2つの新機能

ハッシュタグをつけて検索できる機能は、提供開始時点では日本のみで使える限定機能となる。ハッシュタグ付きのキーワードを検索すると、結果ページでハッシュタグ付きのタイムリーな話題・ニッチな情報なども表示するという。

グーグルによると、日本は諸外国と比べて最新のトレンドや自分の興味・関心のあるトピックを深掘りして知りたいというニーズが強いという。また、近年盛んに利用されている「ハッシュタグ」でも日本特有の傾向があり、単語の間にスペースが不要な言語の特徴から、より長い文章などの表現力豊かなものが多いとしている。

Google ナウキャストは、グーグルが2020年に発表した「MetNet」の後継となる「MetNet-3」を活用した、AIで降水を予測するニューラル気象モデルとなる。

スーパーコンピューターでの膨大な計算量が必要な物理学をベースとした従来の手法と異なり、過去の観測データから気象パターンの推移をAIモデルで学習。現在までの観測データからこの先の気象パターンを直接、数秒で導くことができるという。

日本ではウェザーニューズと連携し、学習データや天気予報士の慣習などとMetNet-3を組み合わせ、新しい雨量予測モデルを開発。ユーザーの現在地情報に応じ、検索結果に5分ごとの降水量予測を最大12時間先まで表示する。従来提供されているナウキャスト(気象予報、降水予測など)よりも高い精度を確認したとしている。

日本リスキリングコンソーシアム、東京大学 松尾・岩澤研究室と連携--さまざまな課題解決をAIで

グーグルは同日、日本リスキリングコンソーシアムとともに、Googleの生成AI講座「Google AI Essentials」を、日本リスキリングコンソーシアムの新規会員1万人に無料提供することも発表している。

東京大学 松尾・岩澤研究室ともパートナーシップを結んだ。2027年までに日本全国47都道府県における地域課題の解決をサポートする生成AIモデルの実装、AI人材の育成の支援に取り組む。AIを活用し、一人一人の創造性や生産性を向上させること、産業構造の転換を図りながら企業の競争力を高める、高齢者の健康、社会参加を支えることなどを目指すという。

具体的には、研究所のコース修了生とグーグルのエンジニアが協力し、県の課題解決を支援する生成AIのモデルを構築。実装を通してAI人材の育成に貢献する。第1弾として雇用のミスマッチ解消を目指し、大阪府との取り組みを開始。今後開始予定の広島県をはじめ、各地での取り組みを進めるとしている。

グーグル Vice President アジア太平洋 日本地区 マーケティング エグゼブティブ スポンサー Google for Startups Japanを務める岩村水樹氏は、「日本の一人一人が自分の能力を伸ばして活躍するため、長年にわたって支援を続けてきた。自らの可能性を自由に追求できるインクルーシブな社会を築くことで、日本社会が多様な人材の持つ力をフルに活用し、成長することにもつながる」と話す。

また、「AIの活用を進める上で、日本には大きな可能性がある。その理由の1つが、日本はAIにポジティブなイメージがあるという点だ。G7の国々と比べても日本は、AIを使った製品やサービスにはメリットが多い、あるいはワクワクさせられると考える層が多い。ドラえもんや鉄腕アトムなどの人間を守り、パートナーとしてともに生きるAI、ロボットを描いた漫画やアニメに親しんで育ってきたという日本特有の文化的背景が関係しているかもしれない。こうしたAIに対するオープンかつポジティブな態度は、日本の変化を加速させる原動力となりうる」と語った。

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