中消防団 中華街の消火活動に尽力 3団統合後初の出場 横浜市中区・横浜市西区・横浜市南区

6月7日の午後5時20分ごろ、横浜中華街で火災が発生した。辺りに黒煙が立ち上り13棟が焼けたが、人的被害はゼロ。その裏には中消防団員の活躍があった。

アプリで火災の発生を知り現場に駆け付けたのは約40人。区内在住や近隣の企業に勤める団員だ。発生当時は金曜日の夕方。観光客などでにぎわっており、人や車の通りも多かった。騒然とした現場で、避難する人の誘導や残火処理の放水など消防隊員の後方支援をした。

火の粉が舞う発生現場近くで交通整理を行っていた白石富士美第4分団長は「写真を撮ろうと近づく人もいた。けが人を出さないように必死だった」と振り返る。

中消防団の出場は今年4月に伊勢佐木、加賀町、山手の3団の統合後初めて。中垣忠一郎本部部長は「統合したことで人力を集約、補完し合えるという良さが生かされた」と話す。今回活動した団員の意見を共有し、今後の訓練や体制強化に生かしていくという。

消防団員は非常勤特別職の地方公務員で、普段は別の仕事や家業を持ちながら地域で発生した災害などに対応する。現在、中消防団には約430人が所属し充足率は約90%だ。

いつ起こるか分からない災害や火災では地域をよく知る団員の存在が被害の拡大を防ぐ。団員は「学生や女性、外国の方など多様な人に入団してもらいたい」と話した。

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