岩井町原第一町内会 町内会費 「PayPay」で 全国初、住民の負担減に 横浜市保土ケ谷区

町内会活動の効率化に取り組む小石川会長(保土ケ谷区提供)

岩井町原第一町内会(小石川悦子会長)がこのほど、町内会費などをキャッシュレス決済サービス「PayPay(ペイペイ)」で支払える仕組みを導入した。自治会町内会での導入は全国的に見ても珍しく、集金などの作業を簡略化。円滑な町内会運営を目指す。

自治会町内会は全国に約30万あるとされている。会費の徴収は会計担当者が集金で行うのが一般的で、大きな手間と時間を要す。会費の紛失や盗難のほか、会計担当者を騙った詐欺などのリスクをはらんでいる。支払う側は現金を用意する必要があり、負担に感じるという住民もいる。

岩井町原第一町内会はコロナ禍がもたらした非接触型の生活様式を参考に、段階的に町内会運営におけるデジタル化を促進。自治会町内会向けのアプリケーションを取り入れ、回覧板などの情報交換をオンラインでできるようにした。2年前から会費の徴収方法に銀行振込を導入。約400世帯のうち、80〜90世帯(企業などを除く)ほどが銀行振込で支払っているという。

小石川会長は「銀行振込でも外出する必要がある。夏場の外出は熱中症を発症する危険性が高く、こうしたリスクを減らしたかった」と考え、新たな会費の徴収方法を模索した。保土ケ谷区に相談し、地域で支払操作を認知している人が多いとされるPayPayの導入を検討。それでも支払操作に不安を抱える住民がいたが、集金の手間を省けるなどの利点が大きいことを説明し、理解が得られたという。

選択肢の一つとして

同町内会は地域行事で販売物を購入する際にも、PayPayで支払いができるように準備を進めている。商品の受け取りがスムーズになり、少ない人員でイベントを運営できるなどの期待値が高い。一方、支払操作が分からない人へのフォローが重要だ。

小石川会長は「キャッシュレス決済はあくまでも選択肢の一つで、無理強いするものではないと思う。実際にPayPayでの支払いを開始した後も、住民の声を聞きたい」と話す。

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