【結婚祝いのマナー】友人から再婚のお知らせが届いたら、どうしたらいい? 50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識

いくつになっても迷うことの多いおつきあいのマナー。歳を重ねると、周りで再婚する人がいたり、自分でもそんなご縁があったりということがあります。お祝いはしたほうがよいのか、自分の再婚もどこまで報告したらよいものかなど、悩むことも多いはず。そんなときどうしたらよいのか、現役マナー講師で人生の先輩でもある岩下宣子さんに、Q&A形式で伺います。

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Q1 友だちが再婚、お祝いはどうする?

友だちが再婚したそうです。お祝いはどんなふうにしたら?

A. 再婚でも初婚でも、大々的に披露宴をする人もいればそうでない人もいますよね。披露宴に呼ばれるような場合はシンプルにお祝いに行けばよいのだけど、難しいのはお知らせだけが届いた場合かと思います。もう一度結婚しようと思える相手と出会えたのは素敵なことで、ぜひお祝いの気持ちを伝えたいですね。

気持ちの伝え方は、品物でもお金でも、マナーとしてこれをしたらダメということはなく、もし私がその立場だったらということですが、やはり贈りたいのはお花でしょうか。

自分なら5000円くらいで、花瓶にそのまま生けられるブーケなどを選ぶと思います。「花キューピッド」や、ふつうの花屋さんでも宅配のシステムがある店があるので、相手の負担にならない届け方を選べるはず。

結婚のお祝いということで、相手がお返しを気にするかもしれないので、それほど気を使わせずにすむ金額で、お友だちの好きそうなお花を選んであげて。

お花やグリーンの好きな人は行きつけの花屋さんがあるでしょうけど、そうでない方も、ふだんからちょこちょことお花を買って、仲よしのお花屋さんを見つけておくといいですよ。お祝い事やお見舞いなどのときに、ふさわしいお花を選んでもらったりもできますのでね。

「嬉しいことだから、いっしょに喜びたいの」とひとことメッセージを添えて送れば向こうからまたお返事が来たり、しばらくおつきあいの減っていたお友だちでも、また楽しいやりとりが復活するかもしれません。

Q2 兄弟が再婚、親族のつきあいはどこまで?

兄弟(姉妹)が再婚、親族にはどこまで連絡すべき?

A. その前の結婚の終わり方や再婚までの経緯にもよるでしょうけれど、これは再婚されたご兄弟と、その配偶者の希望に沿えばよいのではないでしょうか?

マチュア世代の親御さんでしたらもう70代以上でしょう。人によって元気の度合いも違いますし、体調や住んでいる場所、もろもろを考えて、ケースバイケースで対処していけばと思います。

親族を集めてパーっと披露をしたいならその手伝いを、そうでないなら本人に任せる、と言ったところです。

兄弟(姉妹)としてできることは、新しく家族になったその方を温かく迎えて、会う機会があれば会い、そっとしておいてほしいようならそっとしておくことくらい。

親や親戚に挨拶をしたほうがよいとか、お相手の親族に挨拶がしたいなどと無理強いせず、再婚した方同士を尊重して、愛ある距離感で見守ってさしあげましょう。

Q3 自分が再婚、相手の子どもへのお祝い事は?

再婚した相手の子どものお祝い事はどこまで行うべきですか?

A. マチュア世代でしたら、再婚相手や自分に成人した子どもがいるケースも少なくないでしょう。となると、お互いの子どもを交えて会う機会は、就職や結婚など節目のときが多くなるかもしれません。

そんなとき、相手の子どもに贈るお祝いをどうするか。これはもちろん、どんどん贈ってください。それまで全く知らなかった相手のお子さんであっても、縁があったのです。今後、再婚相手が老いて、そのお子さんと協力しなければならないような状況もあるかもしれませんし、よい関係を築いておくことは大切です。

また、逆の場合を想像してみて。再婚相手がわが子のお祝い事をいっしょに喜んでくれたら、嬉しくないですか? 再婚した同士とその子どもたち、そして周りの親しい人によいことがあったときにみんなで喜ぶことができれば、その結婚は大当たり!と言えるのではないかしら。

岩下先生のまとめのひとこと

「マナーって実はひとつだけじゃない、100人いたら100のやり方があるの。相手をよく見て、お互いが気持ちよくいられる方法を見つけましょう」

※2023年11月26日に配信した記事を再編集しています。


監修者
現代礼法研究所主宰 岩下宣子

共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。

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