NTT ExCパートナー、静岡大学と共同で「情報活用能力」を育成する2つの教員向けカリキュラムを開発

NTT ExCパートナーは、静岡大学教育学部 塩田研究室と共同で新たな教員研修カリキュラムを開発し、提供を開始したことを、6月19日に発表した。

2019年に提唱されたGIGAスクール構想によって、すべての公立小中学校の児童生徒一人ひとりが専用のタブレットPCなどのICT環境を使えるようになった。現在ではさまざまな学習の場面でタブレットPCが活用され、協働的な学び、個別最適化された学びを実現する重要なツールとなっている。

子どもたちがこれからの時代を生きていくのに情報活用能力の向上は必要不可欠だが、具体的に情報活用能力をどのように育てていくのか、学校現場からさまざまな悩みの声が寄せられていた。それらをもとに、同社は「情報活用能力の育成に関する研修」「「理想」と「リスク」に着目して家庭のルールを再考してみよう」の2種類の教員研修カリキュラムを、静岡大学と共同で開発した。

「情報活用能力の育成に関する研修」

「情報活用能力の育成に関する研修」では情報活用能力に焦点を当て、教科などの学びを通した情報活用能力育成のポイントと実践事例を学ぶ。

これまでの教員向け研修では、情報活用能力の解説にとどまっていた。同研修では共同研究で独自開発した情報活用能力チェックリストを活用し、情報活用能力に対する理解に加え、クラスや学校の情報活用能力の状況を可視化して具体的な指導方法まで検討できるようになる。また、豊富な実践事例にもとづいて、情報活用能力を効果的に習得できる授業設計を学べる。

「「理想」と「リスク」に着目して家庭のルールを再考してみよう」

「「理想」と「リスク」に着目して家庭のルールを再考してみよう」では、子どもが自ら考え、家庭でも学校でも理想的な使い方を実現するためのルールづくりの方法を学ぶ。

教員や保護者、外部講師などが一方的に伝える指導から、子どもが自ら考えて目標やルールを設定するのを促すやり方へと転換を図ることが可能。家庭と連携した情報モラル教育の重要性は理解しているものの、どのような方法で保護者と子どもとのルールづくりを支援したらよいか悩む学校向けのカリキュラムとなる。学校から保護者に配布・活用できるリーフレット教材も紹介するため、研修後すぐに実践できる。

同カリキュラムは、6月から同社の教員向け研修メニューとして提供される。また、同社は大阪教育大学において、静岡大学教育学部 准教授の塩田真吾准教授と同社開発担当による「情報活用能力育成のための教員研修体験セミナー」を、教育委員会関係者・学校関係者・学校支援人材・報道関係者向けに開催する。セミナーでは、塩田准教授による実演を通して実際に研修のメリットを体感できる。開催日時は7月6日の13時30分~15時で、会場は大阪教育大学 みらい教育共創館(大阪市天王寺区)3階 302未来型教室。参加費は無料。

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