“マイナ保険証” 完全移行…現行の保険証 “廃止” に9割が否定的 富山県民医連アンケート調査

政府が打ち出している「健康保険証の原則廃止と “マイナ保険証” への完全移行」について、医療関係者と患者らの “9割以上が否定的” であることが富山県民主医療機関連合会のアンケート調査でわかりました。

アンケートは今年3月から5月まで、富山県内の医療機関や介護施設など20事業所で実施され、職員や患者など合わせて828人から回答を得たました。

日常的に医療・介護を必要としている利用者や家族と職員に聞いたもので、差し迫った現場の生の声を反映したものといえます。

その結果、現行の保険証がなくなることについて「大いに不安」が44.8パーセント、「ある程度不安」が43.0パーセントに対し「不安はない」が12.2パーセントにとどまりました。

9割が「保健証廃止」に否定的な考え…

保険証のあり方については「マイナ保険証との併用がよい」が52.1パーセント、「マイナ保険証は不要」が41.5パーセントと、9割以上が “マイナ保険証への完全移行” に否定的な考えでした。

トラブル発生の可能性をどう見るか…

政府は今年12月に保険証の新規発行を終了し、その後は最長1年間、現在の保険証も使用可能としますが、マイナ保険証を取得しなかった人には「資格確認証」を発行する予定です。

アンケート調査では、マイナ保険証によるトラブルの可能性についても尋ねたところ「ある程度の頻度で発生する」が37.0パーセント、「かなりの頻度で発生する」が59.9パーセントの一方「発生しない」が0.8パーセントとわずかでした。

いまだ2割が「保険証の廃止」を知らない…

また、今年12月2日からの現在の健康保険証が原則廃止されることを知っている人は、79.9パーセントですが、20.1パーセントは知らなかったと回答しています。

「国民皆保険制度」を守るには…

結果を受けてアンケートを実施した富山県民主医療機関連合会は…
▼マイナンバーカードのみを希望する人は圧倒的に少ないこと
▼大多数の人が “マイナ保険証といまの健康保険証を併用できるよう希望している”
とまとめています。

いまだ2割の人が保険証の原則廃止を知らないことから “マイナ保険証に1本化すると保険資格を確認できない人が出てきてしまう” として「国民皆保険制度」を守るためにも “現行の保険証を残すことと、マイナ保険証を希望する人には不安なく対応できる制度と設備の整備が必要” と話しています。

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