家族(夫、妻、子ども)が家を出る時は玄関先で見送ってる?夫婦仲良しの秘訣はマイルールにあり!?専門家に聞く

引用元:Milatas/gettyimages

「たまひよ」アプリユーザーに「家族(夫・妻・パートナー・子ども)が朝、家を出るときに玄関先まで見送りますか?」と、質問。「見送る」「ときどき見送る」は8割を超えました。また「夫・妻・パートナーや子どもたちとの間で、独自の家庭ルールはありますか?」と、質問したところ、たくさんのコメントが寄せられました。何気ない日常のなかで、仲良しになれる秘訣が満載です。夫婦問題に詳しいワーク・ライフコンサルタントの大畑愼護さんに聞きました。

何かと気を遣うことが多い「子連れ外食」。みんなが気を付けているマイルールは?

Q:家族(夫・妻・パートナー・子ども)が朝、家を出るときに玄関先まで見送りますか?

見送る 47.9%
ときどき見送る 35.8%
見送らない 11.7%
夫・妻・パートナーは見送らないが、子どもは見送る 3.2%
その他 1.4%

「見送る」は約48%。「ときどき見送る」と合わせると約84%と高い数字になりました。

理由は「当り前のこと」「子どもの頃からの習慣」がトップに

「当たり前の行動かな…と思う!毎日のルーティン」(akane)
「余程体調が悪い時は別だけど、必ず見送っています。理由?見送るのは当たり前だと思っているので、見送る理由なんて考えた事ありません。うーん、母が必ず見送っていたからかな」(AYA)

という「見送らないという考えがない」と答える人が圧倒的。続いて、

「重い話になりますが、家族を突然亡くした経験があります。見送らなかったら後悔するかも、と毎日思っています」(にしさと)
「朝は気持ちよくお互いにスタートさせたい。見送らなかったり、喧嘩したりしたまま、外出先で何かあったら絶対に後悔するから」(ちたろ)

として「何かあった時に後悔したくない」という声も。
さらに意外に多かったのが「言霊(ことだま)を信じている」という声でした。

無事を祈って「気をつけて」の言霊で家族を守る

「『気をつけてね』と出発前に声をかけると、注意力が上がって事故の確率が減ると、テレビか何かで観て以来必ずしています」(くこ)
「『気をつけてね』という言葉の言霊を信じているから」(K)

少数派の意見では「大切なコミュニケーションタイム」として
「幼い頃からの習慣でもあるのですが、何となく相手の体調(気持ち)が分かるバロメーターになっている気がします」(ソラシド。)
「お互い働く同士、励まし合って、1日を乗り越えるパワーをもらう大切なコミュニケーションの一つだと思っています」(みおちゃん)

Q:夫・妻・パートナーや子どもたちとの間で、独自の家庭ルールはありますか?

ある 41%
ない 58.3%
その他 0.7%

「ある」と答えた方からは、家族とのコミュニケーションを大切にするコメントが寄せられました。

一番多いマイルールは「夫婦喧嘩」関連

一番多いマイルールは夫婦喧嘩に関することで「喧嘩は翌日に持ち越さない」でした。
「喧嘩や言い合いになったら言うだけ言い尽くしてハグして仲直り。ハグしたら、もうそれ以上は言わない約束」(ぐーちゃん)

次に多かったのは「喧嘩中でもコミュニケーションはとる」でした。
「喧嘩をしていても、必ず同じベッドで寝る」(はな)
「行ってきます、ただいま、おはよう、おやすみ、のときにはハグとキスする。どんなに喧嘩していても絶対」(あすか)

見習いたい夫婦喧嘩のマイルールその他編

「話し合い(家族会議)は必ずご飯を食べた後にする。お互い空腹の状態だとイライラして感情的になって喧嘩になる事が多かったので」(めがぱんだ)
「子ども達の前で喧嘩はしない。そして引きずらない。お互い素直じゃないので『ごめん』はあまり言わないけれど、負目があるほうから必ず話し掛けるという暗黙のルールがあります」(おーちゃん)

食事中のマイルールでは「家族全員で食べる」「テレビ・スマホ禁止」多し。が、反対の声も……

「食事は家族全員そろって食べて、食事中にテレビ・スマホは禁止」(にゃんちゅう)

というマイルールの声も多く寄せられました。けれどもこんな声もありました。

「夕飯時に各々ローテーションでYouTubeやアマプラから観たいものを選択して、みんなで食べながら観る。家族の好きなもの、興味があるものがわかって良い」(nzm)

動画も多様性の時代。家族のコミュニケーションツールとなるようです。

まだまだあるよ、参考にしたい我が家のマイルールその他編

「『寝る前の挨拶は必ず家族の前でする』です。各自の寝室があるため何時に、誰が寝たか把握できなくなり始めました。お陰で把握はもちろん、家族内でのコミユニケーションが増えました」(たまひよベビー)

「『お風呂に一緒に入る&夜寝るタイミングは毎日一緒にする』です。
お風呂はスマホなど触るものが何もないので、2人でいろいろなことについて話せる時間にもなります。寝る時間も同じで少しお話ししてから、電気を消して寝ます。絶対ルールではないのですが、自然と日課になっています」(SUZU)

「『食事の支度は全員でする』です。私の母の口癖が『うちはレストランじゃない』でした。
私が料理を盛っている間に、他の人が箸やコップや取り皿を出したり、メニューに合わせて調味料を出したり。座って準備されるのを待つのではなく、みんなで準備するようにしています。
毎日変わるメニューに対して何の皿が必要なのか、何の調味料が必要なのか考えるようになるし、この食材はどうやって調理するのかなどの質問があればコミュニケーションになるし、食育にもなります」(こう)

「『寝る前に共有スペースであるリビングは必ず片付ける』です。これができているのといないのとでは翌朝の気持ちよさが違う!」(みゆふぁ)
「『毎週土曜日の午前中は家の掃除をする』。気持ちよく休日を迎えられます」(なまたまご)

この他にも「ありがとう、ごめんなさい、挨拶(おはよう、ただいま、いってきます、いってらっしゃい)は必ず言う」「お互い無理せず、思っていることをちゃんと話す」も多く寄せられました。

共働きが増え、時間に追われる生活の中でマイルールが夫婦の潤滑油になっているようです。夫婦問題に詳しい大畑愼護さんに聞きました。

「家庭の幸せは、コミュニケーションをよくすることから始まる」と、専門家

「『夫婦生活は長い会話である』というのは、哲学者ニーチェの言葉。
お互いの価値観や考えていることは少しずつ違うから、たくさん対話していこうねという意味ですが、家庭の幸せにつながるマイルールの秘訣は、やはりコミュニケーションにありそうです。

組織作りの考え方でも『成功の循環モデル』というものがあり、『良い結果(今回は家庭の幸せ)を出すためには、まずはコミュニケーションを良くすることから』という法則があります。仕事でも家庭でも、コミュニケーションから始めることは普遍的なんですね。

玄関先まで送りに行く間の他愛もない会話で、お互いの体調を知れたり、週末の過ごし方のアイデアが話せたりする。玄関先の見送りではなく、食卓を囲むことであったり、一緒にお風呂に入ることでその時間を作っている家庭もあります。
『私たちの家庭で会話が生まれる場所ってどこだろう』と、振り返っていくと上手くいっている理由、伸びしろポイントが見えてくるのではないでしょうか」

「相手の大切なもの」を大切にする

「子育てをすることで分泌される『愛情ホルモン(オキシトシン)』は、同時に『他者への攻撃性』を高める効果があることは知っていますか?
育児に協力的でないパートナーに無性にイライラするのはそのためです(笑)。
自分の大切にしているものを大切にしてくれない人は、『敵』となり攻撃の対象となるのですが、一緒に育児をすると『味方』となりリラックス状態に戻るそうです。

少し大げさかもしれませんがマイルールは、『こんな家庭を作っていきたい』という大切な想いがルールとして現れたものだと思います。
『一緒にお風呂に入る』のは会話をして家族がどんな1日を過ごしたのかを知りたいから、『夕飯時に各々ローテーションで観たいものを選択して、みんなで食べながら観る』のは、家族の好みや興味がわかるだけでなく、家族一人ひとりの選択を尊重したいという気持ちの現れかもしれません。
その人が大切にしている想いを大切に扱う、ということがマイルールを守るという意味にもなりますし、一緒に良い家庭を築いていこう、という愛情表現にも見えますね」

ただし、マイルールは定期的に見直しを

「ルールを作るとルールに縛られるリスクも同時に出てきます。
『守ってくれなかった』『これはルールで決まっていることだから』と、ルールにこだわってギスギスして、相手や自分自身を苦しめてしまうこともあります。
こういったことを懸念してマイルールを作らない方もいらっしゃいますが、そんな時は『このルールはやっぱり良いね』『家族が増えてきたから、あのルールはちょっと変えてみよう』など、定期的に見直すことをおすすめします。

これからは人生100年時代。あなたの人生を評価するのは、会社組織ではなく家族です。常日頃のコミュニケーションを大切にして家族もルールも進化させていきましょう。
ぜひ、この記事をパートナーにも読んでもらい、 我が家のマイルールについて話すきっかけにしてみてください」(大畑愼護さん)

大畑愼護(おおはた しんご)

PROFILE)
前職では全国を駆け巡る激務をこなし、やりがいを感じながらも長時間労働の弊害を実感。そこで個人及びチームの業務内容などを見直し・改善して残業時間半減を実現します。その経験を生かして生産性の向上を提言するワーク・ライフバランス社へ転職。コンサルタントとして、企業の講演・研修を担当し多数のメディアにも出演しています。
プライベートでは3児の父。前職では激務のせいで一家離散の一歩手前でしたが、こちらも見事に立て直し、第3子誕生の際には1年間の育休をとって一家5人で南国フィジーへ育休移住を決行しました。プライベートではトライアスロンに挑戦するなど、既成概念にとらわれず仕事・家庭・自分の時間の充実を提案する型破りイクメンパパです。

大畑愼護さんのブログ「育休移住.com」

大畑愼護さんのインスタグラム「shindyyy777」

文/和兎 尊美

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2022年11月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数497人)
※記事の内容は2023年1月の情報で、現在と異なる場合があります。

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