高校陸上の新星 仙台二高・玉木大誠選手 “文武一道”で初の全国大会へ〈宮城〉

高校陸上に新たな新星が現れました。先月行われた県高校総体陸上競技。100メートル200メートルで二冠を達成したのが仙台二高の2年玉木大誠選手です。県内有数の進学校から自身初となる全国での飛躍を誓います。

宮城から突如現れた新星。仙台二高2年、玉木大誠選手。先月行われた県総体では100メートル200メートルで二冠。中でも100メートルの記録は追い風参考ながら県高校記録を上回るタイムで会場を湧かせました。

仙台二高2年 玉木大誠選手
「きょうは優勝するんだっていう気持ちでスタートラインに立ってたので、そういう意味では自信を持って、胸を張って走ることができました」

中学から本格的に陸上を始めた玉木選手。短距離選手としては比較的小柄ですが指導する佐藤顧問はその強さをこう分析します。

陸上部顧問 佐藤広樹先生
「自分の体を思ったように動かす能力が非常に高いなと感じます。言葉でこういうふうにしてみようと会話をしたときに自分の身体感覚をすごくもっていて、修正能力が高い」

修正能力の高さ。その背景にはある習い事が影響していました。それは、小学生の頃から続けていたブレイクダンスです。

仙台二高2年 玉木大誠選手
「結構自分で動かしたいように体を動かすっていうのがそのダンスの醍醐味なので、修正力っていうのはダンスから生きてる」

陸上で全国大会に出場した経験はない玉木選手。急成長したのも高校入学から半年後の去年秋です。そこには仙台二高という県内有数の進学校ならではの理由がありました。

陸上部顧問 佐藤広樹先生
「(仙台二高は)入りたくてみんなが入れる学校ではないと思うので、受験を勝ちぬいて入学してきて、どうしても(入学直前の)3月まではなかなか思うように練習はできないので」

当時の玉木選手の様子を身近で見ていた家族もこう振り返ります。

玉木選手の母・由紀さん
「受験の時は全く走らない期間が長かったので、その間はどうしても不安に感じて、また走れるんだろうかとか一生懸命気にしていた時期はありました」

全国への切符をかけた東北大会直前のこの日。玉木選手は2時間あまりの部活動を終えると自宅で勉強に励みます。心がけているのは仙台二高に伝わる「文武両道」ならぬ「文武一道」の精神です。

仙台二高2年 玉木大誠選手
「勉強で集中できる人はスポーツでも集中できるし、スポーツで集中できる人は勉強でも集中できるので、それを別々として考えるんじゃなくて、しっかりお互いやる中でどっちも関連を持たせるように意識していこうという考え方」

陸上部ではキャプテンを務めている玉木選手。その仕事ぶりには同級生も太鼓判を押します。

同級生
「みんなにいろんなことを教えてくれるし、前に立ってしゃべるのも得意だから頼もしい感じになってます」
「やるときはしっかりやる。かっこいいです」

玉木選手が見据える2年生での目標。それは初の全国の舞台インターハイ出場です。

仙台二高2年 玉木大誠選手
「今年はしっかり2年生のうちから全国の舞台っていうのを経験していれば、3年生になれば、じゃあ決勝に行こうとか、また一つ上のランクで戦えると思う。全国の相手にもおじけづかずしっかり堂々と勝てるようにがんばっていきたい」

東北の実力者が全国への切符をかけて競う陸上の東北高校総体。玉木選手は100メートル決勝のスタートラインに立っていました。上位6名に入れば初の全国大会進出です。玉木選手は第7レーン。周りは全員3年生です。
宮城代表は自分ひとり。その環境が玉木選手を熱くしました。終盤一気に盛り返し3位。見事インターハイ出場を勝ち取りました。

玉木選手は200メートルでも3位に入り、2年生の今年2種目で全国の切符を手に入れました。

仙台二高2年 玉木大誠選手
「自信を持ってやっていたのであとは楽しんで。笑顔でここまで来たらやるしかないって思いを持ってやっていたので、3位以内に入れたのはすごい大きいことなので、素直にうれしい気持ちです」

次なる舞台は来月、福岡で行われるインターハイ。積み上げてきた練習を自信へと変え、初の全国に挑みます。

仙台二高2年 玉木大誠選手
「陸上ってよく『ただ走ってるだけ』とか言われるかもしれないけど、自分がサボれば記録も出ないし、自分が頑張れば記録も出るし。ただ、その自分の本当に鏡になってるような競技。やっぱり会場をどよめかせるような走りがしたいなっていうふうに思っています」

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