存続?廃止?市が検討…小平奈緒さん輩出のスケートリンク 老朽化で補修に多額の費用・利用者減も

茅野市国際スケートセンター 愛称「ナオ・アイス・オーバル」

金メダリスト小平奈緒さんも練習した長野県茅野市のスケートリンクが廃止されるかもしれません。老朽化や利用者の減少を受け、市の審議会が検討していて、6月19日、現地視察が行われました。

小平奈緒さんも小さい頃から練習 

1989年にオープンした「茅野市国際スケートセンター」。地元の子どもたちが早くから氷に親しみ、多くのトップアスリートを生んできました。

平昌オリンピック金メダリストの小平奈緒さんもその一人。小平さんも小さい頃からここで力を着け、世界へ羽ばたきました。

小平奈緒さん

2018年には金メダル獲得を称えて、愛称を「ナオ・アイス・オーバル」に。

当時、小平さんはビデオメッセージでー。

平昌五輪金メダリスト・小平奈緒さん(当時):
「地元の皆さんや全国の皆さんが集まるすてきなリンクになるといいな」

スケート場を存続するか廃止するかを検討

しかしー。

茅野市・柿沢圭一副市長:
「幅広い情報の中で、将来のためのご判断をいただきたい」

今、茅野市はスケート場を存続するか廃止するかを検討しています。市は夏までに答申するよう行財政審議会に諮問。

大きな理由の一つが「老朽化」

19日はオフシーズン中、ゴルフ練習場としても利用されているスケート場を委員が視察しました。

なぜ、検討が必要なのか、大きな理由の一つが「老朽化」です。冷却設備やリンクのゆがみの補修に必要な経費は今後、6億円から11億円を見込んでいます。

茅野市国際スケートセンター 愛称「ナオ・アイス・オーバル」

もう一つの理由が「利用者の減少」。ピーク時の1992年には年間14万人でしたがここ数年は3万人ほど。屋外リンクのため、温暖化の影響で滑れる日数も減っていて、年間の経費は5200万円に上っています。

委員:
「経営者の観点からいくと即撤退が普通の考え、ただ行政はそれだけで判断してはいけない」
「文化として素晴らしいものがあるから残した方がいいという気持ちは強い。ただ、数字を見るとそうは言えない」

茅野市国際スケートセンター 愛称「ナオ・アイス・オーバル」

地元の誇りとも言える施設だけに難しい判断が迫られています。

茅野市行財政審議会・小平淳会長:
「若者に選ばれる街、お金が生み出せる財政にしていきたいというのが目的ですので、苦しい選択もあると思いますけど白黒つけていきたい」

現在行っている市民アンケートも踏まえ、審議会はこの夏に方針をまとめる予定です。

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