現職推薦取り下げた医師連盟「この4年間はがっかり」と新人応援 塩田氏は「医師会推薦より県民の命守る」…救命救急センター指定めぐる応酬、舞台は知事選へ

 鹿児島県知事選で現職塩田康一さん(58)への推薦を取り下げた県医師連盟の池田琢哉委員長が20日、新人米丸麻希子さん(49)の出陣式に出席した。取材に「組織として米丸氏を応援する」と明言。対する塩田さんも第一声で推薦問題に触れ、選挙戦で同連盟と距離を置く姿勢を鮮明にした。

 県医師連盟は県医師会の政治団体で保守系有力組織の一つ。拍手を浴びて壇上に立った池田委員長は「この4年間はがっかりだった」と塩田県政を批判し、「新しい県政を目指さないといけない」と訴えた。

 一方、塩田さんは出陣式で、救命救急センターの新規指定に向けた方針を説明した。医療関係者を中心に反対が出ている状況を踏まえ「医師会の推薦よりも県民の命を守りたい」と、ひときわ語気を強めた。

 県医師連盟は14日、塩田さんの推薦取り下げを発表した。政策協定での食い違いや対話の意向が示されなかったことなどを理由に挙げた。米丸さんへの推薦は見送った。

〈関連写真〉塩田氏の推薦取り下げについて説明する鹿児島県医師連盟の池田琢哉委員長=14日、鹿児島市

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