〈詳報〉鹿児島県知事選3氏が届け出 現職続投か転換か 来月7日投開票

 任期満了に伴う鹿児島県知事選は20日告示され、いずれも無所属で、元自民県議の新人米丸麻希子氏(49)、市民グループ共同代表の新人樋之口里花氏(52)、2期目を目指す現職塩田康一氏(58)=自民、公明、国民推薦=の3人が立候補を届け出た。有権者が1期4年の塩田県政をどう評価し、続投か転換のどちらを選択するかが焦点になる。投票は一部地域を除いて7月7日にあり、即日開票される。

 人口減少対策や県が鹿児島港本港区のドルフィンポート跡地(鹿児島市)に計画する新総合体育館の是非、選挙期間中に運転延長を迎える九州電力川内原発(薩摩川内市)、西之表市馬毛島の自衛隊基地整備への対応が争点となりそうだ。

 3人とも鹿児島市で出陣式を開き、17日間の選挙戦がスタートした。

 米丸氏は出馬の動機となった県新総合体育館の予定地ドルフィンポート跡地で出発式を開いた。「県民の声が届く県政にし、誇りを持てる鹿児島をつくる。鹿児島から令和維新を起こそう」と訴えた。新体育館の事業費313億円は子ども医療費の窓口負担ゼロなどに使うべきだと主張した。

 元県観光プロデューサーの古木圭介氏が「鹿児島の活性化を託したい」と激励。鹿児島純心女子中学・高校の卒業生も駆けつけた。

 樋之口氏は、JR鹿児島中央駅東口駅前広場で第一声。「命や暮らしを守るための選挙、県民の声が届く県政に変えるための選挙にしたい」と意気込んだ。自身が立候補したことで、川内原発の運転延長や馬毛島での自衛隊基地建設が争点化できると強調。「大事なことが勝手に決まっていく」と塩田県政を批判した。

 出発式には反原発の市民団体メンバーをはじめ、自主的に支援する共産党県委員会や社民党県連合の関係者も応援に駆けつけた。

 塩田氏は浜町のかんまちあで出陣式を開いた。県選出の自民党国会議員をはじめ、公明や国民民主の議員、野党最大の支持組織である連合鹿児島の会長らが、ステージで次々と激励のあいさつに立った。

 県民の安心安全と経済活動の両立を図る新型コロナウイルス対応をはじめ、農林水産業や観光、企業の稼ぐ力の向上に「4年間、全力で取り組んだ」と強調。「安心して暮らし、活躍できる鹿児島のためにまい進する」と声を張り上げた。

 県内の選挙人登録者数は19日現在、131万2693人(男61万3956人、女69万8737人)。前回投票率は49.84%だった。

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