帰還に向けた一歩 福島・浪江町の「特定帰還居住区域」で除染始まる 生活圏の農地の除草や表土の削り取り

福島県浪江町の特定帰還居住区域で6月20日から除染作業が始まった。原発事故から14年目、住民の帰還に向けた一歩だ。

福島テレビ・市川果桜記者:「ここ浪江町羽附地区では、帰還意向のある住民のために0.6ヘクタール分の農地除染作業が進められています」

20日から除染が始まった浪江町の特定帰還居住区域。
帰還困難区域のなかで2020年代にかけて先行して除染を進め、希望する住民が帰還できるようにするエリアで、2024年1月に国から計画の認定を受けていた。
対象となるのは、津島地区など12の地区のそれぞれ一部で、このうち羽附地区では、生活圏内にある農地の除草や表土の削り取り作業などが行われた。

環境省は、特定帰還居住区域710ヘクタールのうち52.6ヘクタールの除染を2024年度中に終える予定だ。
環境省環境再生課・中村祥さんは「できるだけ早くお戻りいただけるような、あるいはそういった環境の判断ができていけるように除染の方を丁寧に進めていきたい」と話した。

浪江町では、帰還困難区域内の760世帯のうち256世帯が帰還を希望していて、町は2024年度中に2回目の意向調査を行うことにしている。

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