官製談合で一関市職員ら4人送検  市長が陳謝 市民から怒りの声「一関市の汚点、恥ずかしい」 岩手県

岩手県一関市の公共工事を巡り、官製談合防止法違反の疑いなどで6月19日に逮捕された市の職員と工事業者の元役員あわせて4人の身柄が、20日に盛岡地方検察庁に送られました。
相次ぐ逮捕を受け市民からは怒りの声があがっています。

官製談合防止法違反などの疑いで送検されたのは、一関市建設部都市整備課・課長補佐の金今進容疑者(60)、公契約関係競売等妨害の疑いで送検されたのは、いずれも市内に本社があるフジテック岩手の元代表取締役・千葉登美夫容疑者(72)と元取締役・千葉里美容疑者(47)の2人、それに永沢水道工業の元役員・千葉敏郎容疑者(68)です。

警察によりますと、金今容疑者は市の建設部参事だった2022年7月から約1年の間に市が発注する3件の工事の入札情報を漏らした疑いが持たれています。

また業者側の3人はこの情報をもとに入札し、公共工事を不正に落札した疑いが持たれています。

内記和人記者
「一関市の給食センターの排水処理施設の工事の入札で不正な落札があったとみられています」

給食センターの工事は永沢水道工業が約7440万円で落札していました。

また同様に不正に落札されたとされるのは、大東中学校の統合に伴う校舎の増設工事、それに室根診療所のエアコンの工事でフジテック岩手が合わせて6280万円で落札しています。

3件の落札額はいずれも市が定める予定価格の93%以上に達しています。

相次ぐ逮捕に市民からは怒りの声が上がっています。

一関市民
「やはりちょっと残念。こういうのはひきょう。正当であってほしい」
「1人の社員がそういうことすると全員そう思われる。ああいうのはだめ、絶対に。一関市の汚点、恥ずかしい」

千葉敏郎容疑者は贈収賄事件の容疑者として、5月に市の元幹部職員・那須野長己被告(59)とともに逮捕されていて、2人は19日起訴されています。

相次ぐ逮捕を受け20日午後5時ごろ、一関市の佐藤善仁市長は会見で陳謝しました。

一関市 佐藤善仁市長
「どこまで広がっていくのかという不安を多くの市民の皆さんも抱いていると思う。大変申し訳なく思っています」

会見では金今容疑者の人柄にも言及しました。

一関市 佐藤善仁市長
「建築のことに関しては精通していた。役所の中では重宝な人間、専門家であった」

警察は4人の認否を明らかにしていませんが、19日の家宅捜索で34点の証拠品を押収していて引き続き事件の全容解明に向け捜査しています。

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