“撮り鉄”トラブル防止へ「おもてなし」対策が奏功 JRが地域住民に感謝状 観光振興のモデルに(鳥取)

“特急やくも”の新旧交代で、JR伯備線などの沿線に集まった撮影目的の鉄道ファン、いわゆる「撮り鉄」のトラブルを防ぐため、地域を挙げて対応した住民などにJRから感謝状が贈られました。

JR西日本中国統括本部駅業務部・青木豊太部長:
鉄道愛好家さんに対する皆様の行動は、本当に今でも深く感謝しております。本当にありがとうございます。

鳥取県日野町であった贈呈式では、JR西日本から日野町や警察、沿線地域の自治会など9つの団体に感謝状が贈られました。

津地自治会・佐野秀樹さん:
せっかく遠いところから鳥取県、日野町根雨地区に来ていただいて、快く楽しかったなというふうに帰っていただけるように率先して挨拶、声かけもしましたし、これからもずっと続けていきたいと思います。

山陰と山陽を結ぶ特急やくも号は、新型車両が2024年4月にデビュー。一方で、国鉄時代から運行されてきた旧型車両が順次引退したことから、新旧交代の貴重な光景をカメラに収めようと、日野町内の「ネウクロ」などの撮影スポットには大勢の鉄道ファン、いわゆる「撮り鉄」が集まりました。

しかし、一部のファンによる線路への立ち入りなどの危険な行為や路上駐車、私有地への無断立ち入りなどのマナー違反が問題となり、沿線地域では、JRだけでなく、行政や警察、住民も連携し、「撮り鉄」専用の駐車スペースの無償提供やマナーを守るよう促す看板の設置などの対策に取り組み、6月14日のラストランでは、ファンによる大きなトラブルは見られませんでした。

美しい伯備線に出会う町の会・久城雅文さん:
ぜひこうした活動に共感していただいた方は加わっていただいて、一緒に問題を考えてもらいたいと思っております。引き続き、迷惑を感じてらっしゃる方はおられるので、そうした方の声もしっかり聞きたいと思っております。

JR西日本中国統括本部駅業務部・青木豊太部長:
(沿線住民の)おもてなしの心となんとか一緒にやっていこうという前向きさに、非常に感動しました。この地域の取り組みは、全国的に広がっていけばいいなと思っております。

迷惑行為をストップ、「撮り鉄」を鳥取のファンに。地域を挙げて取り組んだ今回の「おもてなし」対策は、鉄道を観光資源として生かす新たなモデルになりそうです。

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