海外見て学んで調査 青森県が6校決定

 青森県の高校生が将来、世界を舞台に活躍するグローバル人材に育つよう、県が生徒の海外体験にかかる費用(上限520万円)を支援する事業「高校生海外フィールドワークチャレンジ2024」について、県は20日、応募があった36チーム中、6校計6チームを決定したと発表した。選ばれたのは青森東、弘前、八戸高専、八戸聖ウルスラ、田名部、大湊のチーム。調査テーマは持続可能な漁業や食品ロス、デジタル化や防災対策など青森県の課題解決に絡める傾向が見られた。

 事業は本年度から始まり、4~5月に県内23校の36チームが応募した。高校生が同じ学校の生徒同士3~10人程度のチームをつくり、興味・関心、問題意識からテーマを設定し、課題解決のための海外フィールドワークを企画。書面審査を通過した10チームが今月12日、青森市内でプレゼンテーションに臨んだ。

 留学支援専門家ら4人の審査員が6チーム(29人)を選出。早ければ9月以降に渡航し、テーマに沿った調査を行う。来年3月には全チームが宮下宗一郎知事に成果を報告する。

 フィールドワークは、研究や調査の対象となる場所や人物を訪ね、実際に状況を観察し、課題解決のために情報を収集・整理・分析したり、人と関わったりすることで理解を深める手法。県は行き先が欧米などの場合は1チーム上限520万円程度、アジア地域は同240万円程度を支援する。

 県地域交通・連携課人づくりグループの玉熊留美マネージャーは「元々は生徒個人が将来に希望を抱いて挑戦できる人材に育ってほしいという事業目的だったが、各チームは本県の課題を捉え、本県への思いが表れていた。海外調査の経験を未来の青森県に役立ててほしい」と話した。

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