3Pと激しいディフェンスで女子日本代表がオーストラリアを撃破!

本日6月20日から2日間にわたり、北海道立総合体育センター 北海きたえーる(北海道札幌市)にて開催中の「三井不動産カップ2024 北海道大会女子日本代表国際強化試合」。平日にもかかわらず、本日の第1戦には公式入場者数5476人の観客が足を運び、女子日本代表に熱いエールを送った。招いた女子オーストラリア代表は、196cmの#14マリアナ・トロら、サイズと強いフィジカルを誇るFIBAランキング世界3位の強豪。それでも、同9位の日本は得意の3P攻勢と激しいディフェンスで流れを奪い、最終スコア96‐85で大きな手応えを得る白星を手にした。

立ち上がりこそオーストラリアにリードされたが、日本も#23山本麻衣が最初の得点を挙げ、#27林咲希の2本の3Pシュートなどで逆転。そこから激しいディフェンスでもオーストラリアを苦しめ、14‐7とリードを広げてオーストラリアにタイムアウトを取らせた。その後も日本が逃げ、オーストラリアが追い掛ける展開。前半終了間際に、地元出身の#13町田瑠唯が「ラッキーシュートです(笑)」という3Pシュートを沈めて会場を沸かせ、52‐41と11点リードで試合を折り返した。

後半、オーストラリアは高さを生かしてリバウンドを掌握し、ペイントエリアから得点を重ねていく。日本もディフェンスの手を緩めず、スティールからの速攻や要所での3Pシュートで譲らない。3Q残り2分には一時1点差に迫られる苦しい展開だったが、タイムアウトを挟んで#30馬瓜エブリンが3Pシュートやドライブで躍動。何とか逆転はさせず、69‐64と5点リードして最終Qへ。

4Q、開始早々に日本は#52宮澤夕貴、#27林、#8髙田真希が立て続けに3Pシュートを成功させ、勢いに乗る。その後も積極的な選手交代によって一人一人がエネルギッシュにディフェンスを仕掛け、#88赤穂ひまわりが引っ掛けたボールを#12吉田亜沙美が身を挺して転がりながら前につなぎ、#31平下愛佳が速攻を決める場面も。その後も10点前後のリードを保ったまま試合を優位に進め、最後は96‐85で試合終了となった。

キャプテンの#27林が「特にオフェンスに関しては、前よりは止まることなく動けているかなと思います」と言うように、中国遠征などの代表活動を経て、恩塚亨コーチのバスケットがだいぶ浸透してきた様子。とはいえ、まだ完成というわけではなく、恩塚亨コーチは「試合中、70%くらいは良い判断ができました。ただ途中、疲れたりカオスな状況になったりしたときに、やるべきプレーがまだまだできていないところがあったので、そこをもっと突き詰めていきたい」と話し、#8髙田も「勝ち切れたことは良かったのですが、もっとディフェンスをタフにやらなければいけないという課題の方が、自分の印象では強い」と気を引き締めていた。

明日の第2戦ではより良い判断でバスケットを展開し、強豪オーストラリアから2勝目を挙げて弾みを付けたいところ。なお、オリンピックの最終メンバー12人の枠を懸けて、現状16人の代表候補による選考争いも見逃せない。

写真/石塚康隆 取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

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