尾道いざ初聖地へ 安定感抜群のエース・田原&富島のバッテリーがけん引 春の中国大会制した自信と経験を胸に

 チームを引っ張る田原(左)と富島のバッテリー(撮影・高橋涼太朗)

 「全国高校野球選手権・広島大会」(7月6日開幕)

 今春、中国大会を初めて制した尾道。強豪との接戦を勝ち上がり、大きな経験を得た。そんなチームをけん引するのは田原永遠投手(3年)と富島海翔捕手(3年)のバッテリーだ。打っても3.4番を務め、攻守の軸となる2人。集大成の夏を最高の結果で終えるべく、初の甲子園出場を狙う。

 今春の広島大会3位から、中国大会初制覇まで一気に駆け上がった。北須賀俊彰監督(54)は「試合を勝ちきる点においては成長した。自信になったと思います」と手応えを口にする。

 投打共に戦力が充実している現チーム。中でも指揮官が「野球センスの塊」と評するのがエース右腕・田原だ。チェンジアップを武器に凡打の山を築き、抜群の安定感を誇る。中国大会の決勝で右脇腹に死球が当たり、その後は練習を控えていたが、回復は順調。「夏の大会は問題ない。全力でプレーするだけ」と頼もしい。

 エースながら4番に座る打力も兼ね備えている。練習でも外野の間を破る鋭い打球を連発。冬のトレーニングで体重が6キロ増加したことで飛距離が伸び「長打が増えた。良い影響しかない」と成長著しい。

 田原の前の3番を打つのが、バッテリーを組む主将の富島だ。捕手歴は約1年半ながら広い視野と、試合の流れを読む力を武器に司令塔に君臨。「もともと頭を使うことが好きだった」とやりがいを感じてプレーしている。3番としてはつなぐ打撃を意識。「得点できる確率を上げるためにどうするかしか、考えていない」と話した。

 中国王者として挑む夏。しかし、チームに油断やおごりは全くない。「中国大会を優勝してから絶対に浮かれないようにとは言ってきた。まだまだ改善出来る部分はあるし、強くなれる」と富島。初の聖地を目指し、一戦必勝で戦い抜く。

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