「新しい風を感じて」 師匠の母屋で“こけら落とし”展 2人の女流作家がきょう21日から 群馬・高崎市

初の2人展を開いている麻薙さん(左)と松田さん

 群馬県高崎市の江戸小紋師、麻薙(あさなぎ)詩乃さん(37)と、同渋川市の陶芸作家、松田由岐子さん(40)による初めての2人展が21日、高崎市の藍田染工母屋の「藍愛ギャラリー」で始まる。麻薙さんの師匠で、県重要無形文化財保持者だった藍田正雄さん(享年77)が住んでいた母屋を活用し、今春開設されたギャラリーが会場で、今回の企画展が「こけら落とし」となる。麻薙さんは「女流作家2人による新しい風を感じてほしい。この場所も、若い作家の発表の場として使っていただけたら」と話した。

 伝統の技法で絹生地に繊細な文様を染めた江戸小紋の着物や、白磁器に藍色の模様が映える染付の大皿など計約100点を紹介。麻薙さんは深く、落ち着いた色合いの江戸小紋や生地、鮮やかなふくさ、ブルーを基調とした夏らしいスカーフを、松田さんはアジサイやナンテンを描き、見ていて楽しくなる皿や茶器、小物をそれぞれそろえた。

 麻薙さんは千葉県出身。大学卒業後に江戸小紋師の藍田さんの作品に引かれ、2011年に弟子入り。藍田さんが17年に亡くなるまで約6年学び、現在も藍田染工で制作を続ける。宮城県出身の松田さんは大学、大学院で陶芸を学び、愛知県瀬戸市の瀬戸染付研修所で研さんを積んだ。14年から渋川市に工房を構える。

 日本工芸会に所属する2人は昨年2月の伝統工芸群馬展で知り合い、交流を深めてきた。今回の企画展は麻薙さんが松田さんに声をかけて、開催に至った。

 午前10時~午後5時。25日まで。問い合わせは藍田染工(☎027-373-6163)へ。

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