体調不良の青木瀬令奈は“飯抜きラウンド”も好発進 「試合をしていたほうが集中できて楽」

青木瀬令奈は4アンダー・4位タイで初日を終えた(撮影:上山敬太)

<アース・モンダミンカップ 初日◇20日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6688ヤード・パー72>

腹が減っても戦はできる? 青木瀬令奈は、ラウンド前も食わず、ラウンド中も食わずのラウンドながら、4アンダー・4位タイと上位で滑り出した。

その原因になったのは、先週、土曜日に発症した胃腸炎。発熱まではいかないが、普段よりも体温も高く、食欲も湧いていないという。「今朝も食べてないですし、その辺りで“本当に具合が悪いんだな”って感じます。きのう(開幕前日)の夜は少し固形物を増やして食べたんですけど」。もともとラウンド中も「食べることを忘れるタイプ」と笑うが、何も食べずのラウンドはやはり負担も大きい。ただそのなかで集中を続けた。

最近の青木はパワーアップを続けている。平均飛距離は今季も228.74ヤードで75位という数値だが、「8番(パー5)は残り60ヤード地点から広いけど、(2打目で)そこを狙えたことが成長。16番も右のバンカーには入らないことを前提に打ったら、すぐ横まで行って危なかったり」など、これまでとの変化を感じている。さらに体調不良でクラブを振り切れてないなかでのプレーとあって、自信も深まる。

初日が行われた6月20日は、コーチも務める大西翔太キャディの32歳の誕生日でもあった。「バースデーラウンドなのでいいプレーを見せられたらと思っていたしよかった。最低でも“60台”という話はしていました」。相棒をお祝いする「68」でもあった。

今季初優勝の場として、この賞金総額3億円大会(優勝で5400万円)はふさわしい。“1億円プレーヤー”を目標に掲げる青木にとっては、なおさら欲しいタイトルでもある。ただ本人は日々の積み重ねを強調。「今年は安定感があるなと成長を感じている。優勝争いができていないので優勝争いができるゴルフをしないと。それが重なれば1億円までいけるチャンスも出てくる」。現在2076万2642円で22位につける賞金を、どこまで上積みできるか。

万全の戦いをするためにも、体調回復は最優先事項だ。「(回復すると)信じたい。逆に試合をしていたほうが気持ち的に集中もできて楽。余計なことを考えずラウンドできる」。ここで結果を残し、4日間を終えたときには美味しいご飯と美酒に酔いたい。(文・間宮輝憲)

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