流れる汗やお風呂上がりの拭き方で肌への負担も タオルでゴシゴシはNG 刺激を抑える方法やアイテム選びとは

拭き方が肌への負担につながることも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

気温が上がり、汗をかきやすい時期になりました。汗を拭うほか、シャワーの回数が増える人も多いでしょう。濡れた体を拭く際、肌への負担が気になることも。肌の負担になりにくい拭き方のコツ、おすすめの素材などはあるのか、タオルやパジャマなどを製造販売するUCHINOの広報・山本美歩さんにお話を伺いました。

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どんな状態も“こすりすぎ”はNG

――汗を拭いたり、お風呂上がりに体を拭いたりする際、「こうしたほうが肌への負担が少ない」といった拭き方のコツはありますか?

「とにかく“こすりすぎない”。これに尽きます。多くの皮膚科の医師が挙げる『肌へ刺激を与える行為・状態』は、紫外線・乾燥・摩擦(こする行為)の3つです。そのなかの摩擦(こする行為)を軽減するために、肌に当てるとスッと水を吸い取ってくれる、吸水性の高いタオルを選んでください」

――汗を拭くとき、肌の負担になりにくいという観点で、おすすめの素材はありますか?

「肌への負担減は、素材というより“拭き方”によって大きく変わります。どんな素材であっても、ゴシゴシ拭いてしまうと肌へダメージを与えてしまうのです。そのため包んだり、押さえたりするような感覚で、汗を吸い取らせることのできる素材や織り方をしたものが適しています。

そうした意味で同じ木綿の場合は、薄手のものよりは厚みのあるもの。たとえば、ガーゼよりパイル地のほうが毛足が長い分、表面積が増し、より多くの汗を吸い取ってくれるのでおすすめです。とくに、ある程度ボリュームのある無撚糸(むねんし)――撚りが少ない糸で作られたパイル地のタオルは、吸水性に優れています。汗をスッと吸い取ってくれるため、肌への負担が軽減できると思います」

左は一般的な撚りで、繊維の一本一本が密着。右は無撚糸で繊維間に隙間ができている【写真提供:UCHINO】

――撚りが少ない糸というのは、具体的にどういう状態なのでしょう?

「綿糸は、短い繊維を撚り合わせたもので、均一な強度を得るために、ほとんどの糸には強い撚りが加えられます。無撚糸は糸を撚らないことで、強度は下がりますが繊維の間に隙間ができた糸のことです。隙間があるため軽く、やわらかいほか、水分を素早く吸い取れるのが特徴になります」

――外出中などは拭いた汗が乾かないまま、湿った状態で拭くことも多いです。濡れている布で拭くのは控えたほうがいいのでしょうか?

「湿ったタオルは、雑菌が繁殖しやすい状態。本来は毎回乾かしたほうがいいですが、外出中に乾かすことは実質的に難しいでしょう。最近は、抗菌防臭加工済みのタオルなども増えています。

肌への負担や臭いが生じるのを少しは抑えることができるかと思うので、気になる人は、そうした素材や加工したものを探してみるのもおすすめですね」

山本さんによると、乾かないまま使うのが気になる場合は、通気性と速乾性に優れている素材を選ぶのも良いのだとか。求める機能やTPOによって、用途に合うものを選びたいですね。

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