甘い話に乗ってしまった日本人夫婦が税関で検挙 税関職員が抱いたかすかな違和感とは

お笑いトリオ・ジャングルポケットの斉藤慎二、俳優の高田夏帆が、6月20日放送の『THE突破ファイル』の再現VTRに出演。覚せい剤の運び屋となった夫婦を税関職員として検挙するまでを描いた。

空港内でスーツケース内の荷物を入れ替えていた夫婦を見つけた監視官の斉藤と係員の高田。「空港内で荷物を入れ替える旅客は密輸品を隠している可能性が高い」という斉藤は、この夫婦をマークすることに。検査場にやってきたこの夫婦は、マレーシアでのトレッキングを終えて帰ってきたところだという。自然公園でリスを見た話や、現地の麺料理・ラクサにハマった話など、やたらと饒舌(じょうぜつ)に語る彼女を怪しみつつ、斉藤と高田は夫婦の荷物をチェックし始めた。

まず高田が気になったのは現地で購入したというホワイトコーヒーの袋。許可を得て重さを測ってみると、パッケージに書かれていた重さよりも数グラム多い数値が。過去にはナッツの中身をくりぬいて覚せい剤が持ち込まれたケースもあったため、封を開けて中身をチェックしてみたが特に異常はなかった。

トレッキングに使うヘッドライトやコンパス、イスラム法に抵触しないハラールコスメやフェイスパックなども詳しく調べてみたが、いずれも異常なし。現地のスーパーで買ったというようかんのようなお菓子も、重さを測り開封して調べてみたが、わずかに表記より軽かったもののそれ以外におかしな様子はない。

ここで斉藤は、夫婦がそれぞれ背負っていたリュックに注目し、リュックの中身も検査。特におかしなものはなかったが、スーツケースの中身と合わせて内容物を布で拭き取り、薬物や爆発物などの微量な痕跡を検知する最新機器・TDSで調べてみることにした。その結果は「反応アリ」。結果をカップルに伝えた上で、さらに詳しくチェックすることにした。

お土産用のサンダルやぬいぐるみもチェックし、さらに本人たちへのボディーチェックもしてみたものの、何も隠している様子はない。次第にいら立ち始める夫婦。斉藤はこれまでに感じた違和感や夫婦の仕草などを思い出し、やがてある可能性にたどり着いた。「ここから先は、一歩たりとも踏み入れさせない!」と夫婦に告げた斉藤が見破ったものとは!?

斉藤は彼氏の方に「そちらのリュック、もう一度確認してもよろしいですか?」と告げる。「何回も開けて調べただろ!」と怒り出す彼氏に「リュックの中ではなく、他に確認したいところがありまして…」という斉藤。これで観念したのか、彼氏は「お好きにどうぞ」とリュックを差し出した。X線検査をかけ、戻ってきたリュックの肩ベルトの部分を切り裂いてみると、中からはアルミで梱包(こんぽう)された白い粉の入った袋が発見された。

実は近年、“タダで旅行できる”などと甘い話で旅行客を釣り、バイト感覚で薬物を密輸させる事例が増えてきているという。彼らもその話に乗り、覚せい剤密輸の手助けをしてしまったのだ。総重量833グラム、末端価格にして5000万円相当の覚せい剤を持ち込んだとして夫婦はあえなく検挙された。

一仕事終えた休憩中、高田は「どこで気づいたんですか?」と斉藤に聞いてみた。斉藤は「(彼の方が)しきりにリュックのベルトの長さを整えるような動きをしていた」という。また「トレッキングが好きだという割に、リュックのベルトが緩みすぎていた」という違和感もあったという。さらに「2人とも片方だけのベルトで(リュックを)担いでいたが、(肩に)掛けていない方のベルトの垂れ具合が不自然だった。きっと仕込んだ覚せい剤の重さで垂れてしまっていたんだろうな」と、いくつもの怪しい部分を斉藤は見抜いていた。経験からくる、鋭い洞察力で密輸犯の手口を見抜いた、見事な突破劇であった。

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写真提供:(C)日テレ

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