杏林病院が破産申請 佐世保市の救急告示病院…入院患者の転院進める

破産申請をした杏林病院=佐世保市早苗町

 長崎県佐世保市早苗町の医療法人篤信会「杏林病院」(神尾昭紀理事長)は20日、長崎地裁佐世保支部に破産手続きの開始を申し立てた。負債総額は約11億7千万円。現在約90人の入院患者がおり、同病院は早期転院を進めるとしている。
 代理人弁護士事務所によると、同法人は1974年に個人経営病院として開業。82年に名称を杏林病院に変更し、2017年に医療法人篤信会となった。内科、外科、呼吸器科など11の診療科目があり、病床数は180床。職員数は常勤医師8人や非常勤医師を含め約140人。
 同病院は同日から新規の外来患者の受け付けを停止。今後、医師会や関係機関の協力を得て、入院患者の転院や、通院患者の他の医療機関への受診を進めるとしている。
 同病院は市内に11ある救急告示病院の一つで、そのうちの二次救急輪番病院にも指定されている。市医師会は「救急患者の搬送をほかの病院で受け入れる対応が必要となってくる。また、入院患者の転院がスムーズにいくよう協力していきたい」としている。

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