SDGs「ジェンダー平等の実現」認知と重要度にギャップ

SDGs17の目標

クロス・マーケティングは2024年6月18日、「SDGsに関する調査(2024年)」の結果を発表した。「ジェンダー平等を実現しよう」の認知率35%と比べて、「重要と思う」割合は21%と低いことが明らかになった。SDGsの認知率は3年連続横ばいの84%であった。

「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」(SDSN)が2024年に発表した「Sustainable Development Report」では、日本のSDGs達成度は167か国中18位。世界経済フォーラムが2024年に発表したジェンダー・ギャップ指数は、146か国中118位と日本は低迷している。「SDGsに関する調査(2024年)」は、2024年6月1日から3日にかけて、全国18~69歳の男女を対象にインターネットで実施した。有効回答数は2,500サンプル。SDGsの浸透状況について、認知率の推移、SDGs教育の有無、17の目標の認知・重要性、SDGsに対する理解と関連ワードなどについて分析した。

マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査によるとSDGsの認知率(名称も内容も知っている+名称は聞いたことがある)は84%と2022年から横ばい傾向が続く。2023年より認知率がやや高まったのは、男性50代と女性30代であった。SDGs認知者のうち学校や職場で教育・研修を受けた人は17%にとどまる。SDGs教育が学校で開始されたこともあり、18~29歳の教育を受けた人は3割と多い。

SDGsの17の目標のうち「内容を知っている」ものは、「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「5.ジェンダー平等を実現しよう」が上位となった。「重要だと思う」ものは、「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」「6.安全な水とトイレを世界中に」「14.海の豊かさを守ろう」「13.気候変動に具体的な対策を」で3割台となった。一方、内容認知で3番手にあがった「5.ジェンダー平等を実現しよう」を重要と思う割合は21%と低かった。

「あなたにとってのSDGsとは」と尋ねたところ、「未来(自分たちの子孫)のために、必ず達成したい目標」「自分が日々意識して、行動に結びつけるための目標」が2割ともっとも多く、特に60代からの支持を集めた。SDGs関連ワードの認知率(名称も内容も知っている+名称は聞いたことがある)は、1位「食品ロス」81%、2位「再生可能エネルギー」74%、3位「地産地消」71%となった。これ以外のワードも、ここ3年間で微増している。

中川和佳

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