代表理事に初の被爆2世 島根の本間さん 被団協が定期総会 

被団協の代表理事に選ばれ、あいさつする本間恵美子さん(左端)=東京都千代田区

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は20日に東京都内で開いた定期総会で、代表理事の1人に被爆2世として初めて本間恵美子さん(74)=中国ブロック=を選出した。また、8月にカザフスタンで開催される世界の核被害者フォーラムに木戸季市事務局長(84)が参加すると報告した。
 代表理事は全国8ブロックと広島、長崎、東京、大阪から1人ずつ計12人が選ばれる。
 本間さんは母親が広島で被爆した。松江市在住で、島根県原爆被爆者協議会長を被爆2世として初めて務めている。総会では「被爆者と同じ気持ちで頑張りたい」と決意を語った。
 田中熙巳代表委員(92)は「被爆2世も原爆の被害者。であるからには、国の責任を明らかにし、核兵器廃絶のため一緒に頑張っていきたい」と話した。
 世界の核被害者フォーラムは、核兵器禁止条約締約国会議で次回の議長国を務めるカザフスタンで準備会合が開催されるのに合わせて「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が呼びかけて開く。同条約第6条が掲げる「核被害者援助と環境修復」を踏まえて議論する。
 木戸事務局長は、原爆に使われたウランの採掘や核実験に伴う被害を挙げ、「二度と核被害者をつくらない道を話し合いたい」と語った。
 総会は、原爆被害への国家補償と核兵器廃絶を「再び戦争をしない、との国の立場を表明することであり、戦争に加担しない平和憲法を生かす道」と位置付け、あらためて求める決議を承認。2日間の日程を終えた。

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