感激はチームプレーこそ 藤沢西高校細田彩美(ほそだあみ)(3年・マネージャー) 藤沢市

ノックの球出しで、守備練習をする部員たちの動きに真剣なまなざしを注ぐ。部員がかごに集めたボールを戻しに来ると、「ありがとう」と自然に笑みがこぼれた。

弟が入っていた地元の学童チームで小学5年生からグローブを握った。茅ヶ崎市立赤羽根中学校では野球部に所属。女子部員は他にもいて、男子と同じ練習に取り組み、二塁手で活躍した。

高校入学後、プレーヤーとしては野球から離れるつもりだった。だが、部活動を見学してこんな思いが湧き上がるのを感じた。「やっぱり野球部に入りたい」。経験者の技量を備えているだけあって、ノッカーを務めることも。「打球が速く、方向も正確で力強い。ノックは彩美が一番うまいかも」と牧内亮玖(りく)主将(3年)は太鼓判を押す。橋本賢慶監督も「細やかな気配りができる」と賛辞を重ねる。

今年度の春の県大会。地区予選で負かされた慶應藤沢と再び対戦した。延長戦のタイブレークとなり、藤沢西は3点差をつけた。1点を返されたが、逃げ切って勝利。「スコアをつけながらハラハラドキドキ。『リベンジをするんだ』という一心で燃え上がった」と振り返る。「チームプレーだからこそ全員で喜びあえる感動がある。マネジャーをしている今、野球がとても楽しい」と断言する。

「3年生は最後の大会。思いきり戦って、まずは1勝してほしい」と祈る。

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