鹿児島県警情報漏えい 警官不祥事〝告発〟文書は、部長在任中に公用パソコンで作成か 逮捕の前部長は「トップの隠ぺい」主張、野川本部長は「指示一切ない」

〈資料写真〉鹿児島県警本部庁舎

 職務上知り得た秘密を退職後に漏らしたとして、前鹿児島県警生活安全部長(60)が逮捕、送検された事件で、漏えいしたとされる内部情報が書かれた文書は、前部長が在任中に公用パソコンで作成したとみられることが20日、関係者への取材で分かった。

 関係者などによると、文書は面識のない札幌市の50代男性記者に郵送していた。昨年、市民の情報をまとめた「巡回連絡簿」を使い、男性警察官が携帯電話で性的なメッセージを女性に送ったとする非公表事案や、郵送時点では未解決だった枕崎署員の盗撮容疑事件などが記されていた。

 事件を巡っては、前部長が6月5日に鹿児島簡裁であった勾留理由開示手続きで「野川明輝本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとした」と主張。後日、野川本部長は「隠蔽を意図した指示は一切ない」と否定した。

 県議会や専門家などからは「公益通報に当たるのではないか」と指摘する声もあり、論議を呼んでいる。

〈法廷イラスト〉6月5日に鹿児島簡裁であった勾留理由開示手続きに出廷した前県警部長

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