青森―上海定期便、就航時期検討 中国・東方航空 コロナで頓挫、開設意向は変わらず

 中国・東方航空が開設を計画していた青森-上海線定期便について、青森県は20日、同社が他県の上海線の利用実績や青森空港の受け入れ態勢を参考に就航時期を検討していると明らかにした。同路線は2020年に就航直前の段階まで調整が進んでいたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実現に至らなかった。現在も就航は決まっていないが、県によると、同社は引き続き路線開設の意向を示している。

 同日の県議会一般質問で工藤貴弘議員(自民)の質問に、齋藤直樹観光交流推進部長が答えた。

 県誘客交流課によると、同社はコロナ禍で地方空港の上海便を運休していたが、新潟、小松、富山などで順次再開。青森空港への新規就航へ、地方路線の利用実績を判断材料としているという。

 一方、少子高齢化やコロナ禍の配置転換などで、航空機の誘導や搭乗手続きといった空港の地上業務「グランドハンドリング」と、保安検査を担う人材が全国各地で不足。青森空港も例外でなく、新規路線の就航に向けては受け入れ態勢の整備が課題となっている。

 齋藤部長は「青森空港の受け入れに必要な調整を行うとともに、航空会社と継続的に情報交換をしている」と述べた。

 県は19、20年に東方航空と青森-上海線の開設に関する協議を進め、同社が国への申請手続きを行うなど就航目前だったが、コロナ禍で実現しなかった。

 県は同路線の就航に向け、23年度から3年間の事業で中国国内のコーディネーターを通じて現地の航空、旅行関係の情報を集めるなどしている。当初は24年度中の就航を想定していたが、空港人員の不足もあり、同年度の就航は難しい状況という。

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