中心市街地再生を担って17年…再開発ビルの核テナント閉店に驚き広がる 鹿屋・マックスバリュ 1.4キロ先にイオン初出店発表から6日後…「予想はしていたが」

10月末で閉店するマックスバリュリナシティかのや店=20日、鹿屋市大手町

 鹿児島県鹿屋市街地の再開発ビル「リナシティかのや」(同市大手町)1階に入るスーパー「マックスバリュリナシティかのや店」が10月末で閉店することが20日、分かった。運営するイオン九州(福岡市)によると、プラッセだいわ鹿屋店跡地(鹿屋市白崎町)に今秋、「イオン鹿屋店(仮称)」を開業するため、賃貸契約を更新しなかった。

 鹿屋市街地の活性化を目指し、2007年4月に開業した「リナシティかのや」。その核店舗として、ともに17年にわたり営業してきたマックスバリュの店頭に20日、閉店を知らせるポスターが張られた。近くの商店街関係者からは驚きの声が上がった。

 リナシティかのやは、国道220号バイパス開通による郊外店進出のほか、市役所移転やデパート閉店などで寂れた中心市街地再開発事業の目玉。4階建て延べ床面積約1万6000平方メートルのうち、マックスバリュ(2135平方メートル)は1階の大部分を占める。

 近くの鹿屋本町一番商店街振興組合副理事長の久木田弘さん(72)は、再開発事業や活性化対策に携わってきた。「(リナシティから1.4キロの距離にある)白崎町のだいわ跡地にイオンができると聞いて、なくなるのではと考えていたが、いよいよかという印象」と残念がる。

 マックスバリュは地域住民をはじめ、居酒屋や飲食店からも重宝されていたという。久木田さんは「買い物難民が出ないためにも、後にはやはりスーパーが入ってほしい。商店街活性化の観点からも、今後の動向が気になる」と気をもむ。

 リナシティかのや内の「市民交流センター」の運営は市の指定管理者だが、マックスバリュ部分は民間の不動産会社が所有する。市は「閉店を把握したばかりで、現在情報を確認中」としている。

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