生成AIのAnthropic、新モデル「Claude 3.5 Sonnet」がGPT-4oより優れると主張

Image:Anthropic

2021年に幹部クラスを含む元OpenAI従業員数名が立ち上げた生成AI企業Anthropicは、ここ最近AIチャットボット「Claude」が高い評価を得ている。

そして同社は、木曜日にリリースした新バージョン「Claude 3.5 Sonnet」が、OpenAIの「GPT-4o」より優れていると主張している。

Anthropicは、目標はLLMを改善していくことだけでなく「意義ある方法で人々やソフトウェアと連携可能なAIシステムを作り上げることだ」と述べている。そして「Artifacts」と呼ばれる機能などは、まさにその方向性を実現するための初期的な実験のひとつだとした。

Artifactsは、ユーザーがClaudeを使用してインタラクティブにソフトウェア開発を行える機能だ。Anthropicは、Claudeを使って8bit風のキャラクターやアイコンを生成し、さらにHTML5でそれらキャラクターを使ったブラウザーゲームのコードを生成させ、動かすデモ動画を公開した。

これはほんの一例であり、Claude 3.5 Sonnetでは、人間のように事や動作などを想像して推測する「視覚的推論」や、グラフ画像の解釈、不完全な画像からのテキストの抽出といった視覚的処理で高いパフォーマンスを発揮するようになっているという。それら能力はGPT-4oのいくつかの視覚的機能より優れ、特にグラフ、ドキュメント、数学的計算の視覚的理解能力が高いとAnthropicは述べている。

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さらに、コーディング能力や論理的な思考力についても、ChatGPTを上回っているとも主張している。たとえば、ある質問に対して、Claude 3.5 Sonnetは答えるべきことと答えるべきでないことを判断する能力にも長けているという。質問の主に対し、正直に答えてしまうことが不適切な場合、また潜在的に有害になり得る場合に、回答を控えるだけの判断力があるということだ。

Claude 3.5 Sonnetは、Claude 3シリーズのリリースから3か月という短いスパンでリリースされた。後発のAI企業であるAnthropicは、ChatGPTやその他のAIモデルに追いつき、追い越すことに全力を注いでいる。Claude 3.5 Sonnetの「Sonnet」はスタンダードレベルのモデルに付けられる呼称であり、年内にはエントリーレベルの「Haiku」、最上位レベルの「Opus」のリリースも計画中だ。

Claude 3.5 Sonnetは現在、ClaudeのウェブサイトおよびiPhone / iPadアプリから無料で使うことができる。

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