【すっきり片づけ】散らかる人にありがちな4つのタイプとは? 整理収納のプロがアドバイス

須藤家のリビング&キッチン。収納家具を置かないことで広々したスペースが生まれ、家族みんながくつろげる心地よい空間に。

片づけの本を読んだり、収納グッズを買ったり、いろいろ試してみたけれど、どうしても部屋が散らかってしまう……。そんなお悩みを解消するべく、片づかない理由と対処法をプロがズバッと指南。すっきり心地よい暮らしを叶えるヒントを見つけてください。お話を伺うのは、整理収納コンサルタントの須藤昌子さんです。

自分の心地よさを優先すれば散らからない

「片づけたいと思っているのに散らかってしまう人は、『こうすれば片づく』という一般的な片づけ理論に左右されて、『こうしなきゃいけないんだ』と思い込んでしまいがち。自分の暮らし方や考え方と合わない方法を実行しようとするから、いつまで経っても片づかないのです」

そう話すのは整理収納コンサルタントの須藤昌子さん。片づけのプロとして、これまでに数多くの家の片づけをサポートしてきた。

「収納スペースも使いやすさも、家や人によって違います。だから片づけ方も人それぞれ、自分に合った方法を見つけることが重要です。一度やってみてできないと『私は片づけが苦手』とあきらめてしまう人もいますが、苦手なのではなくて工夫していないだけ。トライ&エラーを繰り返しながら、自分がどこに苦痛を感じているかに気づければ、解決策は必ず見つかります」

また散らかってしまう人は、「自分が心地よく暮らすことを大事にしていない」とも。

「片づけの本当の意義は自分を機嫌よくしておくこと。それなのに、使いにくいのに気づかずにいる、仕方ないとあきらめているということは、自分に優しくしていないということです。モノがもったいないなどと言いながら、自分はモノのために窮屈な生活を我慢している。自分よりもモノを優先しているわけです。本来、一番大切にしなければいけないのは自分。自分はどこに心地よさを感じるかがわかってくると、散らかることもなくなります」

モノに振り回されずにいるには、自分の心地よさを探す練習から。

「いつも使っているものを、『これで本当にいいのかな』『使いやすいかな』という視点で見てみましょう。不便さや不快さを感じるなら、そこが片づけの改善ポイント。どうすれば使いやすくなるか、今の自分に合うか、答えが出てくると思います」

あなたの散らかるタイプをチェック

須藤さんが整理収納コンサルタントとしての経験から導き出した、散らかる人にありがちな4タイプ。あなたはどれに当てはまる?(✔️ が一番多くあるのがあなたのタイプ)

タイプA 家族が散らかす

□きちんと片づけたいと思っている
□雑誌や本を見て片づけ方を勉強している
□収納グッズを使えば、片づけはうまくいくと思っている
□個人のスペースがない、または個人スペースが機能していない
□家族が協力してくれないことにイライラしてしまう

夫や子ども、同居している親などが共有スペースにモノを置くため、散らかって見える。自分以外に原因があるので、対処法がわからない。

タイプB 捨てるのが苦手

□いつか使う、もったいないと思ってしまう
□紙袋をたくさん保管している
□コンビニでもらう割りばしをためている
□もらいものを使わずに保管している
□何が入っているかわからない収納場所がある

今は使っていなくても、捨てるのはもったいない。どこに何があるかわからない、探しものが多い……そんな煩わしさも感じている。

タイプC 買うことが好き

□衝動的に「欲しい!」と思い買ってしまう
□買うこと自体がストレス発散になっている
□新しいものや限定品が好き
□同じようなものを買ってしまうことがある
□買ったままで封を開けないものがある

買うという行為そのものが好きなので、買って届けばもう満足。買った後のことまでは考えず、気づけば部屋にモノがあふれている。

タイプD 片づけ方がわからない

□自分は片づけが苦手だと思う
□片づけたいと思うが体が動かない
□収納グッズを買いそろえてしまう
□少しくらい片づけても変化がないと思う
□モノの置き場所が決められない

片づけたいと思っても、何から手をつけていいかわからないから後回しになってしまう。収納グッズも使いこなせず途方に暮れる。

タイプ別 すっきりチャレンジへのヒント

自分のタイプがわかったら、タイプごとに合う片づけ法にトライ!
2つ以上のタイプに当てはまる人は、それぞれの対処法の中からできることを組み合わせて。

タイプA 家族が散らかす

家族で暮らしている以上、明確な基準をつくるのは難しい。ああしろこうしろと一方的に押しつけると、家族に反発される恐れも。

すっきりチャレンジ!
①家族の行動・クセをチェック
②家族と話し合う
③きれいになったスペースを家族にアピール

お互いの妥協点を見つけて目安を決める

たとえば夫が片づけに無関心な場合、歩み寄る必要が。
「まず夫の行動を観察して、夫がそこにモノを置いてしまう理由を探ります。そのうえで話し合い、『この箱に入れたらラクだよね』と提案。決めたスペースからあふれたら自分の部屋へ、などとルールをつくることです。片づけてくれない家族にイライラするのと、その箱を作ることで妥協するのと、どちらが自分が穏やかでいられるかを考えて」

タイプB 捨てるのが苦手

もったいない、高かった、まだ使える、いつか使うかも……と思いがち。モノが多いので常に探したり迷ったりして不便に感じている。

すっきりチャレンジ!
①今の暮らしに本当に必要か考える
②散らかる部屋の写真を撮る
③モノが多くてもすっきり見える収納を工夫

なくても困らないものは手放して

「モノが多い=悪い、少ない=よいではありません。モノが多くても効率的な暮らしができているならOK。でも、探すのに苦労するなど不便さを感じているなら、モノの量の見直しを。モノのたまっている状態が日常風景になっていて、自分では気がつけない場合もあるので、写真を撮って客観的に見てみましょう」
不要なものは処分。捨てることに罪悪感を覚えるなら、売る・譲るなどの選択肢も。

タイプC 買うことが好き

お金を使った爽快感、買える自分はすごい、新しいものを手に入れたという満足感。一時は気分が上がるが、モノは増える一方……。

すっきりチャレンジ!
①買うとき、置き場があるか考える
②服は1枚買ったら1枚手放す
③「お買い得」「限定品」を見たらひと呼吸おく

買ったら手放し、持ちものは常に更新しよう

「お買い得」「○○オフ」の文字を見て「欲しい」「買おう!」と飛びつく前に、ひと呼吸。「買ったら家のどこに置くか、どのくらい使うかを考えてみましょう。クローゼットがすでにいっぱいなら『1枚買ったら1枚手放す』などルールを決めて。そうすれば買うときに、『1枚手放してでもこの服が欲しいのか?』と考えられるようになります。そして、買ったら箱や袋のままとっておかずに開け、ちゃんと使うこと。使わないのはモノに対しても失礼です」

タイプD 片づけ方がわからない

片づけたいけれど、どこから始めればいいのかわからない。何となく不便に感じているけれど、仕方ないとあきらめてしまっている。

すっきりチャレンジ
①まずはキッチンツールの入った引き出しから片づける
②雑貨は使う場所の近くへ移動させる
③棚やケースの中を仕切る

場所ごとに使うものを考えて配置

収納の基本は、行動に合わせた場所に、使うものを置くこと。
「まず『これはキッチンで』『これはリビングで』と、使う場所ごとにモノの仕分けをして。仕分けをした先に収納スペースがあればそこに入れ、使う場所にモノがある状態に」
分類後、片づけを開始。始めにキッチンツールの入った引き出しから。
「よく使うか使わないかがわかりやすい場所なので、片づけやすく、整ったときの使いやすさも実感できます」

profile
須藤昌子
すどう・まさこ●千葉県出身。整理収納コンサルタントとして2016年より活動をスタート。アメーバブログ「ROOM-COZY 心地よい生活の始め方」が人気になり、公式トップブロガーに。主な著書に『リバウンドしない収納はどっち?』(KADOKAWA)など。

※この記事は「ゆうゆう」2023年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

※2023年4月15日に配信した記事を再編集しています。


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