知ってる?ドーパミンが出るちょっとした体の動かし方。メンタルコーチが伝授

メンタルコーチの大平信孝先生に聞く、【すぐ行動する人】になる5つのコツ。前回は、コツ1:考えすぎて動けない人に、「仮決め、仮行動する」ことを教わりました。さて、今回は続けて、「10秒アクション」「ドーパミンを味方にする」「見える化思考」の3つのコツを紹介しましょう。

★すぐ行動する人になるには?★

最初の一歩を踏み出せばあとはサクサク!10秒アクションで動き始める

失敗することが少ない最初の10秒だけの行動

前回紹介した、とりあえず動く「仮決め・仮行動」がどうしてもできない、仮と思っていても動き出せないときがあります。

そんなときは最初の一歩のハードルを極限まで下げてみましょう。最初の10秒だけ行動をしてみる「10秒アクション」です。

例えばランニングを始めたいのになかなか動き出せないときは、洋服を着替えたり、ランニングシューズを履いてみましょう。勉強であればテキストを開く、仕事であればパソコンで必要なソフトを立ち上げる、そんな簡単なことでOKです。

10秒でできることはとても小さなことですが、10秒アクションで失敗することはまずありませんから、気軽にトライできます。気持ちが乗らなければ10秒でやめてもいいですし、10秒間がスムーズに行けばそのまま続けて、気がつけば5分、10分、30分と続けていることもあります。

なぜ続けられるのでしょうか。
これは脳科学的にも証明されていて、脳は大きな変化は避けるものの、ほんの少しずつの変化を受け入れ続ける「可塑性(かそせい)」という性質があります。10秒アクションは脳をその気にさせて、その後の行動を連続させる大事な一歩なのです。

大平先生からひと言!

最初の一歩を「10秒でできる行動」にまで細分化しましょう。
あなたが先延ばしにしていることの、最初の10秒はどんな行動をするか考えてみてください。それは本当に簡単なことのはずです。たった10秒実行するだけで、手つかずだった物事に劇的な変化が訪れます。

体を動かして行動力の源となるドーパミンと姿勢を味方にする

簡単な動きでもテンションがアップ

なんとなく気乗りがしなくて、せっかく始めたのに集中できないときがあります。いやいや続けるよりも、背伸びをするなど簡単にできる動きを試しましょう。行動力の源となるドーパミンが出て、テンションが上がります。

また、姿勢も大事です。姿勢がよいときは脊髄(せきずい)の神経回路の伝達がスムーズなのですぐに行動に移せますし、呼吸が深いため血液の循環がよく、脳へ供給される酸素量が増えて集中力も向上します。

姿勢が気になる人はお腹にグッと力を入れてへこませて、両肩をストンと落とし、目線を少し上にする習慣をつけましょう。

ドーパミンが出るちょっとした体の動かし方
・背伸びをする
・座り直して姿勢をよくする
・肩を回す
・爪先立ちをする
・その場で軽くジャンプする
・頰、肩、腕など、自分の体の一部分を軽くたたく

やる気が出る正しい姿勢
・目線はやや上
・両肩はストンと落とす
・お腹にグッと力を入れる

大平先生からひと言!

気乗りしないときに、「どう体を動かすか」をあらかじめ決めておくと弾みがつきます。
自分を追い込んで無理をして気合いを入れるよりも、ほんの少し体を動かすだけで気持ちよく物事を進めることができます。気分が沈みがちな人やデスクワークが多い人におすすめです。

頭の中のゴチャゴチャを書き出す「見える化」して思考を整理する

「見える化」すると驚くほど頭の中がスッキリ

仕事、家事、子どもの学校や習い事、今夜の夕食……。やろうと思っていることが山積みで、頭の中がゴチャゴチャ。何から手をつけてよいかわからなくなるときがあります。

そんなときは懸案事項を全部書き出して「見える化」しましょう。
文字として書き出すと頭の中で抽象的に考えていたことが可視化されるので、思考の整理ができます。対策を思いついたらすぐに書き込みます。

あとはメモを見て実行するだけ。スムーズに解決でき、うっかり忘れも防ぐことができます。

大平先生からひと言!

気になることがあったら紙に書き出す癖をつけましょう。
人は一度に1つのことしか考えられませんから、思考の整理ができるメモはとても有効。メモを見ることで、自分の思考・感情・状況・行動を客観的に分析できるようになり、対応策も簡単に見つけられるようになります。

※この記事は「健康」2023年冬号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
※2023年1月11日に配信した記事を再編集しています。

監修者
メンタルコーチ 大平信孝

おおひら・のぶたか●
長野県出身、中央大学卒業。株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。目標実現の専門家。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。オリンピック出場選手、経営者などの目標実現・行動革新サポートを実施。『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』 (かんき出版)など著書多数。

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