タイトリストのアイアン投入 フィッツパトリック「弾道の高さとスピン量」

アイアンを変更したマシュー・フィッツパトリック(写真は2024年全米オープン)(撮影/村上航)

マシュー・フィッツパトリックはプロとしてのキャリアの大半を通じ、2013年に一般向けにリリースされたピンS55アイアンを使用してきた。

フィッツパトリックがプロに転向した14年の使用ギアを振り返ってみると、バッグにはピンS55アイアンが収まっていた。22年のメジャー「全米オープン」、あるいは23年「RBCヘリテージ」でのフィッツパトリックの優勝ギアを振り返ってみると、やはりバッグにはピンS55アイアンが収まっていた。

しかしながら、23年「ライダーカップ」後にピンのブループリントSアイアンをテストし始めたフィッツパトリックは、24年になってようやくアイアンを変更した。

その後、24年「ウェルズファーゴ選手権」にて、ボールを19年モデルのタイトリスト プロV1xから21年モデルのプロV1xへと変更すると、前週「全米オープン」では大胆にもアイアンセットをタイトリストT100アイアンへと変更した。

フィッツパトリックが導入したタイトリストのアイアン(提供:GolfWRX)

この大幅な変更にはどのような理由があったのか?

「僕はもう少し弾道の高さとスピン量が欲しかったのだけど、このボールとアイアンのコンビネーションがそれを実現してくれたんだ」と、フィッツパトリックは「トラベラーズ選手権」の月曜に述べた。

タイトリストT100アイアンは、アドレスでのヘッド形状がコンパクトなツアー向けのモデルながら、キャビティバック構造とヘッドに加えられたタングステンにより、寛容性と打ち出しの高さが向上している。ただし、フィッツパトリックのアイアンは、一点物となっており、彼の望み通りのターフの抜けやスピン量、そして弾道の高さを実現するべく、リーディングエッジに特別なグラインドが施されている。

弾道の高さとスピン量が決め手(提供:GolfWRX)

パトリック・カントレーも彼の使用するタイトリストAP2 718アイアンのリーディングに似たようなグラインドを施しているが、この火曜にフィッツパトリックはGolfWRX.comに対して、彼のグラインドは異なるものであると断言した。彼は自身のアイアンを「フィッツ・グラインド」と称した。

10年近くアイアンを変更しなかったフィッツパトリックにとって、今年はアイアン変更の年となっており、今週開催の「トラベラーズ選手権」では、フィッツ・グラインドの施されたタイトリストT100アイアンを使用することになる。

初日は4オーバー「74」と出遅れたが、2日目以降の巻き返しに期待がかかる。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン