“人を襲うカラス”5~6月に集中 カメラが捉えた一部始終 防御のコツは『そこにいるのは分かっている』

今、街中で凶暴化したカラスが問題となっています。

カラスが人を襲う一部始終をTNCのカメラが捉えました。

◆記者リポート
「公園のフェンスには、『カラス注意』と掲示されています」

カラスへの注意を呼びかけるポスター。

福岡市博多区の花野公園では、6月13日、「カラスが低空飛行して、頭をかすめるように飛んできた」と市民から市に相談が寄せられました。

福岡市によりますと「カラスに襲われた」などという相談は、4月から5月までに15件寄せられているということです。

「人を襲うカラス」、その一部始終をTNCのカメラが捉えました。

6月、福岡県内で行われたあるスポーツの試合会場で、その様子を撮影していたTNCのスタッフの周りに姿を現したカラス。

じわじわと近づいてくるカラス。

スタッフとの距離が、わずか数十センチになった次の瞬間!

羽ばたいたカラスは、スタッフの頭上すれすれを飛びます。

スタッフを追い払うかのように威嚇を続けるカラス。

身の危険を感じたスタッフが撮影を中断し、退避し始めたその時ー

スタッフの後頭部をめがけて飛んできたカラス。

幸いにもスタッフにけがはありませんでした。

当時の状況について、カラスに襲われたカメラマンはー。

◆当時現場にいた城水善紀カメラマン
「怖かった、本当に。大きな鳴き声を自分に向かって鳴いてくるというか、威嚇。大きな声を上げてくるという感じでした」

なぜ、カラスは執ように威嚇してきたでしょうか。

◆当時現場にいた城水善紀カメラマン
「エサの痕とか食べかすとか、食べ物がいっぱい散乱していた。それを自分の仕事がしやすいように動かした。多分それをカラスに見られて、エサをとりに来た奴なのではないかと思われた」

カラスが人を攻撃するのは「5月から6月」に集中しているとのこと。

なぜこの時期に人を襲うのか、カラス研究の第一人者に聞きました。

◆東京大学総合研究博物館 松原始特任准教授
「この時期にカラスのひなが巣立つ。巣立ちとは巣から出てくるだけで、独立できるわけじゃない。親元にほとんど飛べないひなが留まっているので、それを守るために人を襲うことがある。非常に神経質になる」

もし、カラスが近づいてきたらどうすれば良いのでしょうか?

◆東京大学総合研究博物館 松原始特任准教授
「攻撃される場合は、必ず後ろから来る。体の中で1番高い所、頭を蹴っていく。口ばしで叩くじゃなくて、足で蹴る。なので、帽子でも雑誌でも何でもいい。後頭部をガードしていれば、ケガは絶対にしない」

さらに、意外な対処法も教えてもらいました。

◆東京大学総合研究博物館 松原始特任准教授
「カラスが激しく鳴いていたら、わざと目を合わせても大丈夫。後ろから来るのは、敵が見ている状態で、攻撃するのが怖いから。振り向いて『お前がそこにいるのは分かっている』と示してやると、むしろ攻撃できなくなる」

6月一杯は神経質な状態が続いているとのことで、公園などでは、もうしばらくカラスには注意が必要です。

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